脚本家の橋田壽賀子さんが4月4日に亡くなりました。95歳でした。
橋田さんは、2月下旬から都内の病院に入院しており、3月中旬に熱海市内の病院に転院。亡くなる前日となる4月3日には熱海市内の自宅に戻っていたということです。
1964年に、TBS東芝日曜劇場「袋を渡せば」の脚本でデビューした橋田さん。以来55年以上にわたって、「おしん」「おんな太閤記」「春日局」「ただいま11人」「おんなは一生懸命」などの作品を世に送り出してきました。
その中でも、橋田壽賀子ドラマ「渡る世間は鬼ばかり」は1990年から2011年までの約20年で、10シリーズ、511話が放送。劇中で、小島(旧姓:岡倉)五月を演じた泉ピン子さんは訃報を受け、「昨日意識がなくなったとき、『ママ』って呼ぶ私の声が聞こえたのか、最後に目を見開いたんです。それが最後でした」とコメント。「今の私があるのは橋田先生のおかげです。舞台もドラマもやらせてもらいました。ずいぶん喧嘩もしたし、泣いたこともあったけれど、橋田さんとご主人には本当の娘のようにかわいがっていただきました」と感謝を伝えながら、「私も熱海で暮らすようになって、最後はずっとそばにいられたから熱海に越してきた意味があったと思います」と締めくくっています。
また、橋田さんとともに「渡る世間は鬼ばかり」を作り上げてきた石井ふく子プロデューサーは、「橋田さんとは60年のお付き合いです。年中喧嘩したり、相談したり、家族のように付き合ってきました。一日電話しないと『どうしたの?』と心配されることもありました。思い出がありすぎて何も言えません。こんなに急だなんて悔しくて、なんと言っていいかわかりません。『あなた一人でどこに行ったのよ』という思いでいっぱいです」と悲しみを寄せています。
数々の名作を作り上げた橋田さんの死に、ネット上でも悲しみの声があふれており、「渡る世間は鬼ばかり」で脳外科医の本間英作役を演じた少年隊の植草克秀さんもTwitterで、「あまりの急なことに今はまだ嘘ではないかと思う気持ちです」と動揺を伝えていました。
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83歳でした。