大人になるに連れ“忘れられてしまう”女の子と1人の少年の交流を描いた漫画『コドモの神様』が、切ないながらも良い話と人気です。自分にも忘れてしまった何かがあったような気がしてくる……。
神社で遊ぶ、4人の子どもたち。「マコト」が「ゆか姉」と話していると、男子2人がゆか姉に対し突然「その子誰」「俺たちいつも3人じゃん」と言い出します。イジメやおちょくりというよりまるで最初からゆか姉が存在しなかったかのような態度に、困惑するマコト。
家に帰りマコトが今日の出来事を父に相談すると、その子は「神様」ではないかというのです。幼少期にしか見えずある日を境にみんな忘れてしまう神社の女の子のうわさが昔からあり、もし本当であればマコトは友人たちより幼い子どもということに。
翌日、ゆか姉に会いに1人で神社に向かうマコト。試しにカメラで撮影してみると、ゆか姉は写真に写りませんでした。ゆか姉は、本当に神様だったのです。目を輝かせるマコトですが、ゆか姉は神社から一歩も出られないため退屈な毎日を送っていました。
マコトが父の趣味であるカメラのデータを見せてあげると、ゆか姉は大喜び。また見せてあげるからずっと友達でいてほしいとお願いすると、ゆか姉は困ったような顔になってしまいました。マコトは昨日のことを思い出し、自分は絶対に忘れないと約束します。
時はたち、中学生になったマコト。いまだにゆか姉を忘れることなく、約束通りいろいろなところで写真を取って見せてあげていたのでした。そんなある時、ゆか姉を見ているだけでドキドキするようになってきたマコト。近所の子どもたちに「アツアツだー」とおちょくられ、つい「大嫌いだしッ!!」と叫んで逃げ帰ってしまいました。
家で自分の発言に落ち込むマコト。明日謝ろうとベッドに寝転び、今日のことを思い返します。そう、ゆか……ゆ……今日何があったか、忘れてしまいました。忘れ……。
明らかに自分の中から消え落ちていく記憶に、ゆか姉の存在と今日の出来事の記憶を無理やりひねり出すマコト。しかし、顔も名前も、どんどんぼやけていきます。家を飛び出し、“誰か”に会うため“どこか”へ向かうマコトですが……。その結末は、ぜひ漫画を読んで確認してみてください。
この漫画を公開したのは、三簾真也さん(@igoshowgi)。2015年、少年サンデーに読み切りで掲載された作品です。現在はCOMICメテオで、「お湯でほころぶ雪芽先輩」を連載中。
作品提供:三簾真也さん(@igoshowgi)
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