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エヴァMark.06のプラモにリリンが生んだ文化の極み 4色を1パーツで再現する「驚異の技術」 BANDAI SPIRITSにこだわりを聞いた(1/2 ページ)

どうやってるの!?

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 BANDAI SPIRITSが6月26日に発売したプラモデル「RG(リアルグレード) エヴァンゲリオン Mark.06」に、「驚異の技術力」と畏怖する声が上がっています。例えば、ツノまわりのパーツ1つを複数の樹脂で成形。頭部の複雑な配色が、塗らなくとも再現できるよう設計されているのです。

エヴァンゲリオン Mark.06 RG エヴァンゲリオン Mark.06(公式サイトより)
エヴァンゲリオン Mark.06 4色のランナーが交差して地下鉄の路線図みたい。ここから、Mark.06のツノや目のまわりとなる、1つのパーツが切り出せます(画像提供:こめたんさん)

 話題のきっかけは、購入者のこめたん(@kometanmokei)さんがTwitterに投稿したランナー(パーツの枠組全体)。土台のクリアグリーンの樹脂に、青と黄色、白の樹脂を重ねることで、ツノや目の配色が1パーツ上で再現されています。切り離すだけでほぼ塗装済みのように見えるのもすごいし、このパーツのためだけにランナーを1つ設けてるのもすごい。

 ツイートは「黄色い塗料を間違って垂らしたのかと思ったら成形色だった」「プラモから離れているうちに恐ろしいことになってた」「慣れないとランナーのどこを切っていいのか分からない」などと話題を呼びました。

 また、付属する「カシウスの槍」の成形技術も、marion(@GTMmarion06)さんのツイートがきっかけでものすごいと話題に。らせん状の部分が、きれいに1パーツとして型抜きされているのです。プラモの製造を仮にたい焼き作りのようなものだと考えたら(実際はもっと複雑)、普通はねじれた部分が型に引っ掛かりますよね。 どうやって抜くの?

エヴァンゲリオン Mark.06 らせん状なのに、きれいに抜けてる……(画像提供:marionさん)
エヴァンゲリオン Mark.06

 こちらも「選ばれし勇者しか抜けないのでは」「金型の形を見てみたい」「パーティングライン(金型の合わせ目に盛り上がった余計な線ができる現象)も見当たらない」などと話題に。「変態技術(ほめ言葉)」と多くの称賛を集めたBANDAI SPIRITSに話を聞きました。


―― Mark.06の頭部に複数の色を盛り込むうえでは、どのような技術を使っているのでしょうか

BANDAI SPIRITS 「インサート成形」という技術で複数の樹脂を一つのランナーに成形しております。今回のMark.06ではクリアーパーツも加えて成形を行ったのがポイントです。カラー再現と組み立てやすさを両立するために用いている技術で、「RG 汎用ヒト型決戦兵器 人造人間エヴァンゲリオン初号機」でも採用しています。

エヴァンゲリオン Mark.06 インサート成形は、31年前の「HG RX-178 ガンダム Mk-II」発売時点でも、源流となる技術がみられる(バンダイの資料より)。複数の樹脂が混ざり合わないよう、時間差で金型に流し込んでいる(関連記事

―― 複雑なカシウスの槍は、どのように成形しているのでしょう

BANDAI SPIRITS 金型内でスライド機構を使用して成形を行うことで、通常の金型では実現できない形状を再現しております。

―― ほかにも、「RG エヴァンゲリオン Mark.06」でこだわった点、注目してほしい点などがありましたら教えてください

BANDAI SPIRITS 新規造形の頭部については、版元様にお力添えを頂きながら形状を徹底追求しております。また後頭部の赤色の裏打ちパーツなど、インサートだけでなく細かいカラーリングの再現を目指しました。

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