「誤ってあなたを通報した」Steamアカウントを乗っ取る詐欺に注目集まる 「永久BAN」ちらつかせ偽のサポートに誘導する悪質手口(1/2 ページ)
言われるがままになっていると金銭の請求まで。
PCゲームのプラットフォーム、Steamのアカウントを乗っ取られる詐欺被害が、近ごろTwitter等で複数報告されています。そんななか、被害者の1人であるmobbbbbbb(@mobbbbbb_)さんのnoteが話題に。詳細につづられた詐欺犯の手口が、注意喚起として広まっています。
詐欺犯はSteamユーザーがフレンドとの連携によく使うチャットツール、Discordをコンタクトに活用。mobbbbbbbさんのケースでも、「あなたらしき人物から詐欺に遭った」と訴える、「Sensui」を名乗る者からのメッセージで始まりました。
穏やかでない話を聞き流せず、mobbbbbbbさんが思わず対応すると、Sensuiいわく「あなたと全く同じプロフィールの人にアイテムをだまし取られた」とのこと。Steamはゲーム内アイテムを金銭(Steamウォレット)で取引できるシステムがあるのですが、お金が支払われずアイテムだけ取られる事案もしばしばあるのだそうです。
全く身に覚えがないmobbbbbbbさんは、自分のなりすましが詐欺を働いていると推測。自分ではないと伝えると、Sensuiは慌てた様子で、「あなたを詐欺犯として通報してしまったので、Steamの管理者に直接連絡をとって釈明してほしい」と言い、DiscordのIDを通知してきました。
誘導先に現れたのは、サポートを名乗る人物。あとから分かったことですが、実はこの人物もSensuiの仲間でした。「mobbbbbbbさんのアカウントは通報を受けて処分を保留中で、このまま何もしなければ永久にBAN(凍結)される」などと、恐ろしい通告をしてきます。
このままBANされたら、大金を投じてそろえた膨大なゲームが遊べなくなるとあって、mobbbbbbbさんは大きく動揺。確認のためにSteamでの購入履歴を見せてほしいと言われ、素直に従います。しかし、これこそが詐欺犯の狙いだったのではないかと、mobbbbbbbさんは後で後悔することに。Steamにはパスワードを忘れた際に、「購入証明」を使いパスワードを変更できる仕組みがあるのです。
購入金額をもとにパスワードが割られると、あとは詐欺犯のなすがまま。SteamのUIを思わせるぎこちない日本語のリアルさもあって、相手をすっかり信じていたmobbbbbbbさんは、アカウントのチェック用にと求められた、2段階認証用コードまで教え、完全にアカウントを乗っ取られてしまいました。
詐欺犯はmobbbbbbbさんのフレンドもワナにかけようと、乗っ取ったアカウントでメッセージを送るなど大暴れ。さらに、偽のサポートは「データベースのログデータを復旧するため」と称して、「あとで返却するので一時的に500ドル(約5万5000円)を支払ってほしい」と指示。従わない場合Steamで使用しているクレジットカードまで使用不可能になり得ると言ってきます。
相手を完全に公式サポートと思い込んでいたmobbbbbbbさんは、指示通りに500ドル相当を支払いますが、それでも話は終わりません。相手はさらに、「データベースの復旧に失敗しました。プロセスの続行には800ドル(約8万8000円)相当の購入が必要です」と通知してきたのです。
再度の請求を受けて、ようやくだまされていると気付いたmobbbbbbbさん。「Steamサポートがわれわれに直接連絡を取ったり、サードパーティーのチャットシステムを利用して問題解決をサポートすることはありませんので、みなさんも気を付けてください」と、note記事を締めくくっています。
なお、乗っ取られたアカウントは、本物のサポートへの報告で取り戻せたとのこと。サポートページの「盗まれてしまったSteamアカウントを取り戻したい」から問い合わせたところ、パスワードをリセットして復旧できたそうです。
※本文を一部修正しました
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