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安価なCO2センサーの67%がCO2に反応せず 電気通信大学の実験で判明、感染症対策のはずがリスク増大のおそれ

ちゃんと機能しているか調べる方法も紹介されています。

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 電気通信大学が8月10日、5000円以下の安価なCO2(二酸化炭素)センサーの大半がCO2に反応していないとする実験結果を発表しました。CO2に反応しないセンサーは全て消毒用アルコールに強く反応を示しており、他のガスに反応する疑似センサーだったということです。

co2 センサー リスク 新型コロナ
調査に使用した実験装置(以下、画像は電気通信大学から)

 COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の感染拡大防止には換気が有効とされており、その目安として室内のCO2濃度の計測と可視化が注目されています。通販サイトでは安価なCO2センサーが多数販売されていますが、電気通信大学では大手通販サイトで購入した2900円〜5000円のCO2センサー12機種の精度検証を行いました。

 購入したセンサーは全て感染症対策用として販売されていたもので、参照用としてT&D社製の研究用センサーとCHCシステム社製の産業用センサーも同時に測定。その結果、12機種中8機種はCO2に反応せず、1機種は故障しており、残りの3機種のみが大きい誤差はあるもののCO2に反応したという結果になりました。

co2 センサー リスク 新型コロナ
co2 センサー リスク 新型コロナ

 誤ったCO2濃度を表示するセンサーの使用には、いくつかのリスクが考えられると電気通信大学は指摘。例えば、換気すべきCO2濃度であるにもかかわらず過小な値を表示し適切な換気が行われない「リスクの過小評価」や、良好な換気状態であるにもかかわらず過大なCO2濃度を表示する「リスクの過大評価」及び過大な数値の繰り返しにより利用者がセンサーの表示を無視したり関心を示さなくなる「オオカミ少年効果」などがあるとしています。

 電気通信大学の発表では、購入したCO2センサーが正しく測定できているかを簡易的に確認できる方法も3つ掲載。詳しくは発表ページや詳細PDFをご覧ください。

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