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日本皮膚科学会、ステロイド薬に関する放送めぐり「ザ!世界仰天ニュース」に抗議 番組は謝罪

ステロイド外用薬を使っている患者の恐怖と不安をあおる番組内容だったとしています。

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 日本皮膚科学会や日本アレルギー学会などは、日本テレビの番組「ザ!世界仰天ニュース」で、ステロイドに関する放送内容に問題があったとして抗議文を提出したと明らかにしました


日本皮膚科学会の発表

 同学会が問題視したのは、9月7日に放送された、「脱ステロイド療法」で肌荒れが治ったとする体験談を紹介した内容。「ステロイド外用薬の使用を、種類も使用法も区別すること無く否定し、ステロイド外用薬を用いた治療中の患者さんに恐怖と不安をあおる内容であった」としています。

 「脱ステロイド療法」という用語の使用なども問題視しており、「ステロイドは本来体内で作られるが、ステロイド薬の使い過ぎにより体内でステロイドが作られなくなった」「再び体内で作られるようにするには、ステロイド薬を断つしかない」など科学的に明らかに根拠のない内容もあったと指摘しています。

 「番組を視聴した結果、多くの健康被害をもたらす可能性が高い」と同学会は懸念を表明。「1990年代に始まったステロイド外用薬に関する誤解や誤った報道により、『脱ステロイド』と呼ばれる不適切な治療が横行し、多くの患者さんが不利益を被った歴史があります。日本皮膚科学会では『アトピー性皮膚炎診療ガイドライン』を策定し、標準治療の普及に努めて参りました。その結果、ステロイド外用薬に関する誤解や誤った報道が減ってきましたが、今回またこのような番組が放送され、医療の混乱を来すことは、看過することができません」

 「ザ!世界仰天ニュース」は公式サイトに「番組内容で、治療中の多くの患者の皆様とそのご家族、携わる医師の方にご心配及びご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げます」謝罪し、再発防止に努めるとするコメントを掲載。ステロイド外用薬について「患者の方が自らの判断で急に薬の使用を中止すると症状が悪化し、白内障や網膜剥離などのリスクがありますので、絶対にやめてください。治療は、医師の指導に従ってください」と述べています。


番組の謝罪文

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