事故から23年・車いすレーサー青木琢磨、過酷ル・マン24時間レースの舞台裏明かす 「裏側がいろいろすごすぎた」(1/2 ページ)
琢磨仕様のル・マンレースカーで初完走。「すごすぎるのはあなただよ……」の声。
元WGPライダーで車いすレーサーの青木拓磨さんが9月14日、自身のYouTubeチャンネル「青木拓磨のモータースポーツチャンネル」を更新。見事初完走した世界的レースの1つ、ル・マン24時間耐久レースの舞台裏を披露しました。
青木選手は先日、フランスで行われた世界3大自動車レースの1つ「ル・マン24時間レース」にドライバーとして参戦。特別仕様のプロトタイプレースカー「オレカ・07」を駆り、初出場で見事完走を果たしました。
チームメイトは健常者のマチュー選手。24時間のレース中、何度もドライバー交代をしながら1台のマシンで戦います。下半身が不自由な青木選手は、アクセル/ブレーキ操作を手で行う特設装置でマシンを操ります。アクセルとクラッチはステアリング裏のパドルで、ブレーキはセンター右手の特設レバーで行い、時速300キロ超えのレーシングスピードでサルトサーキットを駆け抜けるのです。
このステアリングホイールは、ステアリング操作とメーター・各種情報表示、さらにギアシフト(シフトアップは裏のパドル、シフトダウンはブレーキのレバー上に移設したボタンで行う)、無線、ピット(ピットロードでの速度制限内走行用)、ワイパー、パッシングライト、ドリンク、メーター表示切り替え用ファンクション、走行モード切り替え、エンジンマップ切り替え、トラクションコントロール調整……たくさんの機能が詰まったボタンだらけ、レバーだらけの特別仕様。たくさんありすぎで迷って指がつりそうです……。
特にクラッチ操作がシビアで難しかったそうです。「エンストしないように苦労しました」。
「コースはかなり汚れている」「砂利もけっこうある」と選手ならではのコースコンディション解説もリアルで臨場感たっぷり。暗闇の中を突っ走る夜間走行のため、走行前に暗いサングラスを掛けて目を慣らす準備していたシーンも印象的です。いかに過酷でチャレンジングなレースなのかも伺えます。
こうして24時間を戦い抜いた青木選手はヘトヘトながらもほっと一息。総合優勝したトヨタチームの祝福しつつ「またこれからいろいろなレースにチャレンジしたいと思います」と力強く宣言。
ファンからも「貴重な舞台裏の映像とてもよかったです」「やっぱりスゲェです」「次の目標は何でしょうか?」「凄すぎるのはあなたでは……?」などのコメントが多く寄せられていました。
(カナブンさん)
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