「摩周で会いましゅう」釧網本線90周年ツアー 網走〜釧路166.2キロを走破して分かった北海道鉄道旅の再発見(1/5 ページ)
ご存じでしたかー? 北海道はいつ来ても景色がすごいのです。
JR北海道釧路支社管内の4つの路線が2021年、いろいろ「X周年」を迎えました。根室線が120周年、花咲線が100周年、釧網本線が90周年、石勝線が40周年です。
120周年:1901年開業、根室本線の白糠〜釧路間
根室本線は函館本線の滝川〜根室間の路線です。このうち、白糠〜釧路間は1901年に「北海道官設鉄道(北海道庁鉄道部)によって開業しました。開業当時の路線名は釧路線。1905年に逓信省に移管されて国営鉄道路線になりました。
北海道では開拓の推進のため、石炭など鉱物資源の採掘のため鉄道が建設されていました。建設資材は船で運ばれ、線路は陸揚げされた港から建設されていきます。日本の幹線鉄道の歴史でよく見られるパターンです。1921年に釧路線から根室本線に改称されました。
100周年:1921年全通、花咲線(根室本線)の釧路〜根室間
花咲線は根室本線の一部、釧路〜根室間の愛称です。釧路線の延伸区間として厚岸(あっけし)、西和田と順次開業して、1921年に根室駅まで到達しました。これで釧路線が全通し、滝川〜根室間をまとめて根室本線としました。
花咲線の名前は途中にある花咲駅から。花咲駅の由来はアイヌ語から転じた「鼻岬」に好字を当てました。沿線に花が咲き乱れるほどではないようですが、厚岸湾、落石海岸、別寒辺牛(べかんべうし)湿原の景色が良いことでも知られています。また、花咲線の東根室駅は日本で最も東にある駅です。
90周年:1931年全通、釧網本線の網走〜釧路間
釧網本線は釧路駅と網走駅を結ぶ路線です。1924年に網走本線として網走〜北浜間が開業、その後、斜里(現・知床斜里)、札鶴(さっつる)へと延伸します。
釧路側からは1927年に釧網線として釧路〜標茶(しべちゃ)間が開業します。その後、弟子屈(てしかが)、川湯へ延伸。1931年に札鶴〜川湯間が結ばれて、網走〜釧路間が全通します。網走本線は釧網線に組み込まれ、のちに釧網本線となりました。
40周年:1981年全通、石勝線の南千歳〜新得間
石勝線は千歳空港(現・南千歳)駅と根室本線の新得駅を結ぶ路線です。路線名は石狩地方と十勝地方の字から。全通は1981年です。このうち、追分〜新夕張間は室蘭線の支線だった夕張線を組み入れました。
当時の札幌〜帯広〜釧路間は根室本線経由で遠回りしていたため、日高山脈を貫く長大トンネルを掘って短絡ルートを作りました。これが石勝線です。2021年現在は札幌〜帯広間の特急「とかち」、札幌〜釧路間を結ぶ「おおぞら」が走っています。
ゲームと縁のある路線「釧網本線」
これら4つの路線のうち「釧網本線」は、とても「ゲーム」と縁のある路線です。今年(2021年)の1月30日〜2月28日に「流氷物語×オホーツクに消ゆ」のコラボが行われました(関連記事)。「流氷物語×オホーツクに消ゆ」は、このコラボに至った背景も知っていただくともっと楽しめます。ぜひ一緒に読んでみてください。
2021年10月から、位置情報ゲーム「テクテクライフ」とのコラボ「テクテク釧網本線めぐり」を開催しています(関連記事)。
テクテクライフは地図上で訪れた地域を塗りつぶしていくゲーム。特定のスポットを訪問してチェックインするスタンプラリー機能があります。実際に現地へ行ってゲームでチェックインすると、一定数ごとにプレゼントが当たります。釧網本線の各駅、各地の観光施設、飲食店などがチェックインスポットになっています。
テクテク釧網本線めぐりは、前述した「流氷物語×オホーツクに消ゆ」がきっかけでした。「流氷物語×オホーツクに消ゆ」にかかわった東京側のスタッフ、Cozy HIGUCHI(@Cozyhig)さんが、網走の人々とテクテクライフの運営会社を結びました。そこから話が進んで「テクテク網走めぐり」が2021年7月20日〜2022年3月31日の日程で、さらに釧網本線へ拡大した「テクテク釧網本線めぐり 秋」が2021年10月1日〜2022年3月31日の日程で行われています。
そういうご縁ならば「流氷物語×オホーツクに消ゆ」をお手伝いしたワタシも見届けなくちゃ。ということで、2021年10月9日に運行された団体臨時列車「テクテク釧網本線めぐり 秋」号に乗ってきたのでした。
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