スケッチをもとにリアルタイムでイラストを自動生成する実験が革新的だと注目を集めています。絵心ゼロでもイラストが描ける日が来るかも……!?
ソフトウェアエンジニアとして働く傍ら、趣味で開発を行っているという高坂(@t_takasaka)さんによるイラスト自動生成の実験。Twitterに投稿された動画では、左側に簡単なスケッチ、右側には色や影が付いたイラストが表示されています。
イラストのもととなるスケッチは丁寧に描きこまれたものではなく、輪郭や顔の雰囲気がぼんやりと分かる程度の線画。左側のスケッチボードに髪を描き加えたり、目の形や大きさ、顔の向きを変えたりすると、右側にリアルタイムでイラストが生成されました。表情から絵のタッチまで変化しているようで、表現の幅広さに驚かされます。
新たに投稿された改善版では、パラメータを使用してイラストの画風や髪や目の形状、落ち影、顔の向きなどを変更できる機能も加わりました。生成されたイラストを希望する仕上がりに調整できそうです。
高坂(@t_takasaka)さんによると、イラストの自動生成は、GAN(敵対的生成ネットワーク)を活用してしているとのこと。AIやディープラーニングに関連した技術で、簡単なべた塗りイラストをもとに風景画像を生成するNVIDIA Canvasなどでも使用されています。
現時点での制作期間は2カ月ほど。趣味の個人開発として進めているので、休日に少しずつ実装しているそうです。一番の課題であったプログラム全体の実行速度については、処理を並列化してリアルタイムで動作するように改善したと語っています。また、既存のイラストをそのままモーフィングさせているわけではなく、AI開発に伴う著作権に関しても法律の範囲内で運用しているとのことでした。
Twitterには「これ完成したら革新的だと思う」「これに3Dモデルを融合させれば、360度から見ても動くアニメキャラがいよいよ実現するような気がする」など、新しい技術に驚く人からの声が寄せられています。高坂さんのツイートには「次は3Dモデルの自動生成と組み合わせる予定」とあり、今後のさらなるレベルアップが楽しみです。
動画提供:高坂(@t_takasaka)さん参考記事:無断でダウンロードしたデータでもAI開発に使える? 改正著作権法を弁護士が解説
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