モータースポーツの入口って意外と簡単! 鉄道ライターが「国内Aライセンス」取っちゃいました:国内Aライセンスを取る方法(3/4 ページ)
富士スピードウェイを快走〜。皆さんもやってみませんか?
人命にかかわるから、規則がたくさんある 「国内Aライセンス講習会」へ
10月30日、秋晴れです。早朝に自宅を出発して富士スピードウェイへ。
公道では交通ルール順守です。運転免許証が停止になると「JAFのライセンスも停止」になります。レース当日にドライバーが変更になる理由は、大抵は体調不良ではなく「免許の不具合」だそうです。これは後で講習会で聞いた話なんですけどね。気を付けましょう
それはともかく、サーキットに行くなんて何年ぶりでしょうか。以前、カルソニック社員の友人からパドックパスを買って全日本GT選手権を観に行きました。パドックで仮設トイレに並んだら、前にいた人がラルフ・シューマッハ選手でした。彼の参加は1996年か。そんな思い出が浮かんできます。
東ゲートから入場してコース下のトンネル(Moty'sトンネル)をくぐってコースの内側、Aパドックのピットビル前に駐車しました。レース観戦ではコースの外の駐車場に停めていたので、何だか高揚しますね。今日は観る人じゃないぞ、「出る人」だぞ、みたいな(笑)。
持参した荷物を持ってピットビル2階のメディアセンターへ。感染防止対策のため、体温を測定し手を消毒します。運転免許証とJAF会員証の確認、参加誓約書を提出して手続きは完了。ここが講習会場です。窓からメインストレートとグランドスタンドを一望できます。サーキットは土日の本レースがある日以外も時間単位で貸し出されています。今日は私たちの前に、オートバイのサーキット走行会が行われていました。
広い部屋の後部では、B級ライセンス講習会も開催されています。なるほど、ここに参加すれば、まず国内Bライセンスの座学を行い、続いて国内Aライセンスの講習とサーキットトライアルでの参加実績づくり、そして試験まで「1日で」できちゃうんですね。初めから国内Aライセンスまで取りたいならば、国内Bもオンラインではなく、まとめて取るほうが早いですね。
教材については、冊子を買うよりダウンロードがオススメ。受講の案内メールに書いてあったので、JAFのサイトからPDFファイルをノートPCにダウンロードして持ち込みました。費用がかからない他に、筆記試験では「教材の参照も可能」なので、紙のページをめくって探すよりPDF内を「検索」した方がはかどります。公開資料なので無料でダウンロードできますが、ファイル数が多いことと合計ファイルサイズがそこそこ大きいので、前もって自宅でダウンロードを済ませておきましょう。
講習は「国内競技規則」「国内車両規則」「法典H項」が30分ずつ。間に10分ずつの休憩があります。
法典H項はサーキットでドライバーに示される旗の種類と指示内容です。赤旗はレース中断、黄旗は追い越し禁止、などですね。教材の量は多いけれど、特に重要な部分を掘り下げて重点的にという感じ。「ここ、試験に出ますよー」「はーい先生(^O^)/」みたいな。もちろん実際は真剣な講義で、ここまで和やかではありません。とにかく規則が多い。「事故が起きれば人命にかかわる競技」ですから。納得です。
テクニックより「安全と規則」の順守が大事
続いては筆記試験です。教材持ち込み可能だからと安心していましたが、意外と悩みます。「ドライバーとして、この判断は正しかったか」というような問題が特に。30問の○×式ですが、規則をもとに実践的な解釈を求められました。80点以上で合格。大丈夫だと思うけれど、1問だけ迷ったなあ……。
筆記試験に続いて上級申請(B級からA級への)手続き。申請用紙が配布されて、記入方法を説明してくれます。申請書の提出先、申請期間とライセンス有効期間、ライセンス更新料など。……試験の合格判定もまだで、トライアルも実技試験もこのあとやるのですけれど(笑)、サーキットの予約時間を有効活用するための手段のようです。手続き用紙を記入している間に、参加者全員の筆記試験合格が伝えられました。やったね〜!
続いてレースに関する講義が15分。こちらは実際のレースの流れ、順守事項の確認など。サーキットトライアルは一般ドライバーも気軽に参加できる競技です。しかし、国内の本格的な競技では、ピットに入る全員がAライ必要、なおかつレーシング保険の加入が義務付けられます。クルマも自分で、あるいはチームで用意しなくちゃいけません。資金力も必要なスポーツです。各地のモータースポーツクラブに入会する人が多いみたいです。
いよいよサーキットトライアル開始です。まずはブリーフィング。ゼッケンの貼り付け方、計時用トランスポンターの設置方法、サーキットで旗を掲出する場所、レースの順守事項の説明がありました。
重要なポイントは「初心者はとにかく右端を走れ」でした。「皆さんはレース用語として、アウトインアウト、スリップストリームなどいろいろなテクニックを見聞きしたことがあると思います。しかし実技試験はテクニックを問いません。安全第一です。不安な人は右端を走る。サーキット走行に慣れた人は左側から追い越してあげてください」です。ああ、ちょっとホッとした。
各自、クルマに戻り、養生テーブでゼッケンを付けます。トランスポンダは運転席窓ガラスに取り付けます。準備ができたらコントロールセンター前へ整列。ここで車検です。外装の違反部品がないかなどをチェック、灯火類、ドライバー装備を確認してもらいます。任意ですが1日保険にも加入しました。確認してもらったクルマから順番にピットロードへ向かいます。
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