「除雪の備えしてなかったの?」 札幌圏の大雪で列車運休、2月8日も復旧のめど立たず JR北海道が異例の経緯説明(1/2 ページ)
なぜ「終日運休」に至ったのか、JR北海道が説明しました。
北海道札幌圏で発生した2022年2月5日、6日の記録的降雪で、JR北海道が札幌圏の列車を2月7日に全日運休。「雪やばい」(関連記事)といった投稿が相次ぎ、北海道民の足に多くの影響が出た中、「7日はもう晴れたのになぜ?」「除雪の備えをしていなかったの?」「なにのんびりやってるの?」といった切実な問い合わせや叫びもあり、JR北海道がその理由を説明しました。
札幌圏の記録的降雪の影響で、2月5日、6日に多くの列車に運休、遅延が発生。JR北海道は2月7日に札幌圏の列車を全日運休させ、2月8日現在も早期の復旧に努めています。札幌圏・小樽〜札幌〜新千歳空港は2月8日夜に運転再開予定。それ以外の区間は運転再開のめどが立たず、2月9日以降になると告知しています(2月8日13時現在)。
なぜ「全面運休」に至ったのか、JR北海道が説明
2月6日の風雪の急激な強まりで吹きだまりが相次いで発生し、運行途中で進めなくなってしまった列車が多く発生しました。乗客は駅で降車しましたが、列車は雪に埋まって動けなくなったまま複数の駅に留置されました。
運行を再開するには、列車が走る「本線」を開ける必要があります。まず、雪で埋まって動けなくなった列車は車両基地などへ退避させます。
列車の手前までは機械除雪できます。しかし、列車の付近では人力で掘りだして除雪しなければなりません。人力で除雪して列車を移動させる。これを次へ次へと、上下線でパズルのように留置車、除雪車を動かしながら留置列車の数だけ行います。
今回は17駅で29編成の列車が雪で埋まって進めなくなってしまいました。また、除雪車の過負荷による突発故障や高架駅の作業など、工数がかかる要因も多々あります。「除雪に時間がかかり、また運転再開の見通しがなかなか立てられないのはこのような事情によります」とJR北海道は説明します。
また、なぜその区間が先なのか、不公平ではないのか? という声が上がったという「手稲〜札幌〜新千歳空港間」の再開を優先した理由については、
- 札幌圏で使う主な車両基地が手稲(稲穂)にあるため、まず手稲〜札幌の開通を最優先で行った
- 札幌〜南千歳間は、道南・道東など各方面へ行く列車が重なって運行する区間で、影響が多方面に及ぶことから、復旧作業を優先した
- 除雪に使う機械、人力、車両数を鑑み、優先順位を付けて作業した
としています。
度々運休されてはたまらない。降雪対策を講じていないのか? といった厳しい声も聞かれました。これは大きく違います。
線路の切り替え(関連記事)は安全な鉄道運行において極めて重要な行程です。ポイントが動かなくなってしまうのが一番いけません。
JR北海道はその要所に融雪器を設置し、降雪が多く見込まれる日は切り替え頻度を落とすために到着・発車番線を変更したり、運行本数を減らすことで、安全な運行と列車を止めない努力をしています。
対策を講じていつつも、「今冬季は例年以上の降雪量」があり、範囲が多岐に渡り、対策事象がいくつも重なったことから「対応に苦慮している」とJR北海道は説明します。
「お客さまにはご迷惑をおかけして申し訳ありません」(JR北海道)。
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