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間違っていたって構わない、だから言語解読アドベンチャー「7 Days to End with You」は今の時代に遊ばれるべき傑作ゲームなのだやや最果てエンタメ観測所(3/3 ページ)

『解体新書』を翻訳した杉田玄白や前野良沢の気分になれるゲーム。

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間違っていたって構わない。「だからいい」

 これは社会論にまで踏み込むのだが、今の世の中を生きる人たちは「間違えない」ことばかりに気を取られ、物語作品の解釈にもあたかも一つの「正解」があるかのように考えてはいないだろうか?

 時々、ネット上に溢れる映画批評、漫画批評、あるいはそれらに対してのコメントなどを読む度に、今の世界はまるで「感想」さえもみんなで競って「正解当て」ゲームをしているかのように思える時がある。ついうっかり駄作を褒めてしまわないように。もしくは、SNSの多数派からズレた感想を書いてしまわないように、と。

 ――あえて言いたい。それは「違う」。

 もちろん、他者の解釈を見て、後から自分が解釈を「読み間違えていた」ことに気付くことがあってもいい。ただ、それでもあなたが作品に最初に抱いた「感情」そのものは決して毀損(きそん)されるものではないし、するべきではないのだ。なぜなら、その積み重ねが「あなた」という人間を形成する。

 だから先述した通り、あなたがプレイ後に「解答」らしき単語を調べてみたとして、それがもしあなたの解釈と違ったとしても、「間違えてしまった」と恥じることなく、それ以前に生まれていたあなただけの彼女の言葉を、あなただけの物語を、あなただけの感情を、どうか大切にしてほしい。

 あなたが感じたことに「間違い」など何一つない。あるいは、登場人物の行動も含めて全てが「間違って」いて、だからこそ「いい」のかもしれない。このゲームが教えてくれるのは、そんなことだ。この窮屈な時代に、本作がもっと遊ばれて、そのメッセージがもっと広く伝わればいいなと思っている。

 

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