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nasneの神機能「ニコニコ実況連携」はなぜ復活できたのか バッファロー・SIE・ドワンゴを動かしたのは、終了を惜しむユーザーの“怨嗟の声”だった(2/2 ページ)

一度終わったサービスがなぜ復活できたのか、プロジェクトに関わった3社に取材しました。

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利用者は減っても「ニコニコ実況」利用者の熱量は高いまま

―― 連携機能の復活の発表後、ユーザーからはどんな反応がありましたか。

安藤:「本当にありがとう!」「よくやった!」など感情のこもった言葉をいただいております。弊社も大変うれしく思っています。

柳瀬:SIEでは、torneの最新情報を発信しているトルネフ(torneのマスコット)のTwitterアカウントに、熱量がある声がたくさん寄せられていました。

―― 編集部でも復活のニュースを聞いて小躍りしていました。ただ少し心配していることがありまして、昔に比べてニコニコ実況自体の利用者数が減ってしまっていないかという……。

高橋:正直なところ、ニコニコ実況って終了する予定のサービスだったんです。移行前のシステムはあまりにも古いので、コメントの盛り上がりのランキング以外はしっかりとしたデータは取れていませんでした。

 ところが移行後、数字のデータがしっかり取れるようになってから見てみると、利用者の数が想定していたよりも多くてビックリしたんです。連携機能が終了した後も、「NHK紅白歌合戦」や「ゆく年くる年」が放送されたときなど、多くの方々がアクセスしてくれました。確かに、ニコニコ実況の利用者数は、連携機能が終了する以前よりも減っているのですが、それでも利用してくれているユーザーの熱量は高いままだと思っています。

nasne ニコニコ実況連携 インタビュー バッファロー 事業本部 事業戦略部 担当部長 安藤史朗氏

―― もう一つ、バッファローがニコニコ実況のオフィシャルスポンサーに就任しましたが、これはどういった経緯からなのでしょう。

安藤:コロナ禍で人と対面して話をする機会が減っている中、今こそ誰かと一緒にテレビを見る価値が高まっているのではと考え、連携機能の復活をさせるために何かできることはないかと模索していました。その結果、ニコニコ実況のオフィシャルスポンサーという形を選ばせていただいた形です。今後は、ニコニコ実況応援団として……というのはちょっと大げさなんですが、ニコニコ実況を盛り上げる活動をしたいと思っています。

―― 最後にnasneやtorne、ニコニコ実況の今後の展望について教えていただけますか?

安藤:弊社は、ユーザーの要望に耳を傾けながらnasneを展開してきたので、今後に関してもそれは変わらず、供給の安定からサービスの改善まで、より網羅的に進めたいと思っています。それと併せて、ドワンゴさんと一緒に連携機能の価値を広めていきたいです。

柳瀬:torneを初めてリリースしたのは2010年で、まだPS3の時代でした。そこから長い間にわたって多くのユーザーに使っていただいたので、SIEがnasneの販売事業を終了すると決めた時は断腸の思いでした。そこにバッファローさんのお声がけがあってnasneの販売事業を継続できた経緯があるので、サービス自体をしっかり続けていくことを一番重視したいと思っています。

高橋:ニコニコ実況の伸びしろはまだあると思います。みんなでテレビを見る文化って、ニコニコ実況が開始されたころよりも浸透しているんです。例えば「NHK紅白歌合戦」について実況をしている人をSNSでよく見かけるようになりましたし、Amazonプライム・ビデオでは、誰かと一緒に映像作品を見ながら実況する「Prime Videoウォッチパーティ」という機能が追加されました。こうした流れに沿って、多くのユーザーがニコニコ実況を利用するという状況を作り出せればいいなと考えています。

 ニコニコ実況は古いサービスだけあって膨大なコメントログデータが残っていて、これはもう歴史といっても過言ではありません。今後は、以前の連携機能が終了する前に録画した番組も含めて楽しんでいただけるようにしたいなと思っています。

―― ありがとうございました!

 

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