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「アイマス」15周年記念のお祭りゲームだったはずが…… 「アイドルマスター ポップリンクス」はなぜ短命に終わってしまったのかモバクソ畑でつかまえて(2/3 ページ)

全アイマスシリーズキャラ集合の「越境ゲーム」としても期待されていたものの……。

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 原因その3として挙げたいのは「ストーリー要素の薄さ」になります。越境ゲーム(※)ということもあり、普段は同時に存在しないアイドルたちがどう交流していくのか、そこに期待していた人も多いのではないでしょうか。

※編注:「ポプマス」では歴代「アイマス」シリーズ全作品からキャラクターが登場していた

 ですが本編にはストーリー的なものは一切ありません。ホーム画面でアイドル同士のちょっとした会話はあるのですが、その程度でした。スキマ時間で遊ぶゲームに本家もビックリするようなヘビーなストーリーを持ってこられたらそれはそれで困りますが、別事務所のアイドルたちがやりとりするイベントストーリーぐらいはほしかったところです。かわいらしくデフォルメされたアイドルが戯れるのを見ていてほっこりするのはいいんですが、やはり人間それ以上を求めてしまうもので。公式Twitterで4コママンガが連載されており、それが交流ネタとしては最大限のものだったように思います。

 なお初期はイベントには一切のストーリー要素がなかったのですが、現在ではイベントを進めていくと4コマ漫画が公開されるようになっており、それが申し訳程度のストーリー要素となっているようです。

アイドルマスター ポップリンクス ポプマス イベント開始時に表示される4コマの1コマ
アイドルマスター ポップリンクス ポプマス イベント報酬で4コマがもらえます

 アイドルと言えば、原因その4としてアイドルの実装待ちも挙げられると思います。担当のアイドルが来ないうちに終わってしまった、なんて人もいると思うのです。

 ですが、サービス終了発表時点では1年半で全316人のアイドル中174人が実装されており、実装率で言うと55%となります。

 内訳はデレマスが190人中71人ミリオンが39人中30人SideMが49人中41人シャイニーカラーズが25人中19人。765プロのメンバー13人は最初から実装済みです。1つのシリーズを除いておおむね7割以上の実装率となっており、1年半でここまでの実装率は相当がんばったといえるのではないでしょうか。

 ただ一方で、デレマスの実装率に目を向けると、190人中71人で37%。もともとのアイドル数が多いため構造上仕方のない問題だとは思いますが、この状況が何を招くかというと「担当が来たらガチャ回すわ」という人がでてくるのですね。

 この人たちは無料石を溜め込んでいくので実装が後になればなるほど無課金で担当アイドルを手に入れて「ああ、満足した……」と消えていく可能性すらあるのです。デレマスについては初期実装アイドルにボイスなしのキャラクターも参加しており、ボイスありを優先するわけではなく順に実装しますよ、というアピールにはなっていたと思うのですが、待たされている立場からするとどちらにせよ待たされるのは変わりないんですよね。

アイドルマスター ポップリンクス ポプマス ボイスなしのキャラも実装されている
アイドルマスター ポップリンクス ポプマス もちろん専用衣装もある

 最後に、話題性のなさも気になりました。本来であれば誰々が実装されたと話題になるはずなのに、だんだんTwitterでは話題にのぼらなくなっていたように思います。複数アイマスのプロデューサーがいるのだから、たとえ浅く広くとはいえ手を出した人は多かったはずなのですが。「ウマ娘」や「ブルーアーカイブ」といった作品がポプマスリリース直後に登場したのも衰退の原因と指摘している人もいましたが、どちらかといえばそんな状況だからこそ応援したい! となる熱心なプロデューサーが存在しているのがアイマスというコンテンツ。そんな中で話題性が薄かった時点で現状は運命づけられていたのかもしれません。

 

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