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テープカッターに「砂」が詰まってた!? パサパサな中身の真相、大手メーカーに聞いた(1/2 ページ)

ニチバンとコクヨを取材しました。

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 「コイツの中身って砂だったの!?」――テープカッター台の意外な中身に驚きの声が上がっています。

テープカッター 中には砂のような物体がびっしりで、重いのも納得/画像提供:ヴォルフガング(@WOLFGANG1945)さん

 話題の発端はヴォルフガング(@WOLFGANG1945)さんのツイート。たまたまテープカッターのカバーがすっぽ抜け、そっくり同じ形の物体が中から出てきたといいます。

 この“テープカッター像”的な物体は砂を押し固めて作ったような質感で、一部は崩れてポロポロと散乱しています。写真はビジュアルのインパクトもあって、Twitterで「知らなかった」「道理で重いわけだ」と話題に。また、「うちのも一部が壊れて砂が出てきている」「部屋が突然砂まみれになったと思ったら、原因はこれだった」など、似た経験談も寄せられています。

 いったいこの中身の正体は何なのか。当該のテープカッターは製造元不明とのことだったので、編集部は大手文具メーカーのコクヨとニチバンに聞きました。

コクヨの回答

――セロハンテープのテープカッター内に砂を詰めるのは一般的なのでしょうか?

コクヨ 他社製品の中身については把握しきれていないため、一般的かどうかについてはご回答することができません。コクヨでは、万が一破損した場合に中身がこぼれて周囲を汚してしまう恐れがあるなどの理由から、重しに砂のみを使用したテープカッターは製造しておりません。

――砂以外の素材が使われる場合もあるのでしょうか?

コクヨ コクヨではセメント(モルタル)鉄板を使用しております。セメント(モルタル)は比較的安価に作れるため、普及価格帯のテープカッターに、鉄板はやや価格が上がりますが、体積に対して重さがあるため、スッキリしたデザインに仕上げられるというメリットがあり、コンパクトさが求められる場面や、やや高級な価格帯のテープカッターに使用されています。また、重さではなく吸盤で固定するタイプのテープカッターもございます。

吸盤タイプは「片手で引けるのに軽くて取り回しがよく、万が一落としてもケガなどにつながりにくいので、小さいお子様のいるご家庭などで重宝されているようです」とのこと

ニチバンの回答

―― テープカッターから砂が出てきた事例がネットで話題ですが、ニチバンの製品で砂を使ったケースはありますか

ニチバン 当社のテープカッターに、砂を使用した製品はありません。他社品では、本当に砂を使用しているものがあるかもしれません。

―― では、この砂のような物体は、厳密にはどのような材質と思われますか?

ニチバン モルタルの可能性があります。当社のテープカッター(TC-C2)なども、重りとして使用しています。モルタルを使用したテープカッターは、古くなると底からパラパラ粉が落ちてきます。これは経年劣化や使用中の衝撃でモルタルが砕けたものです。

テープカッター ニチバンのテープカッター(TC-C2)

 ただ、話題の画像は確かに湿った砂のように見えます。砂だと仮定すれば、モルタルのように乾燥を必要としない点と、簡単にテープカッターの内側へ詰められる点がメリットとなるかもしれません。

―― テープカッターの素材として、他に使われる可能性のあるものはありますか

ニチバン 当社のテープカッター「直線美」シリーズでは、板金や鋳物(いもの)など金属を使っています。

テープカッター 中身に板金を使用した「直線美(TC-CB)」
テープカッター 鋳物を使用した「直線美forBusiness(TC-CBE)」/「直線美」シリーズではモルタルよりも密度が高くしっかり押さえられるため「片手でテープを引き出しても動くことがなく、安定した状態でテープを切れます」とのこと

 2社への取材から、テープカッターには重りとしてモルタルや鉄板が使用されるケースがあると分かりました。本当に砂を使用した商品の存在もあるかもしれませんが、話題のケースでもニチバンの担当者が「湿った砂のように見える」と言うように、「劣化したモルタルが崩れて砂のように見えた」可能性が考えられそうです。

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