好きな作家の作品でアンソロジーを編める企画が「最高」「需要ありすぎる」と話題 販売元に始めたきっかけを聞いた(3/4 ページ)
編集部でも実際に購入して、オリジナルのアンソロジーを作成しました。
購入商品の紹介
編集部でも実際に「ポケットアンソロジー」を購入し、オリジナル短編集を作成してみました。購入したのはブックジャケットと作品リフィル5点。
ブックジャケットは装丁がしっかりしていて高級感が漂います。持っているだけでテンションが上がりそう。
ブックジャケットには付属品としてリフィルを固定するための軸棒と、貼ってはがせる目次用のシールがついています。なくさないように注意が必要です。
作品リフィルはカバーに中身の小説が挟まれる形で封入されています。まず、カバーがオシャレすぎる……。
中身は文庫本からその短編だけをきれいに抜き取ってきたようで、「こんなことしちゃっていいの……?」とどこか背徳感の混じったワクワクが感じられます。
「ポケットアンソロジー」は200ページ収録可能なのですが、作品リフィルのカバー裏には星マークでページ数の目安が書かれており、黒星が25個がおよそブックジャケット1冊分となっているので、アンソロジーを編む際にはこれを参考にしましょう。
編集部員が実際にアンソロジーを編んでみた
それでは、実際のとじ方を説明します。まずは、しおりがついている方を上にしてブックジャケットを開きます。
それから、短編小説の真ん中のページを開き、ブックジャケットに載せてください。この際、後ろの作品から前の作品の順にとじていくとやりやすいそうです。
次に軸棒を下ポケットに差し込んだ後、たわませて上ポケットに差し込みます。これで1篇の短編をとじることができました。
あとは、これを繰り返していけばOK。作品を追加する際は、すでにとじてある分と、追加したい短編の半ページがしっかり重なるよう手で固定してから軸棒を差し込むようにしましょう。
より細かい注意点は、ブックジャケットについている帯の裏に書かれた作り方の説明をご覧ください。また、田畑書店の公式サイトでも同様の説明がなされているので、帯をなくしてしまった方でも大丈夫です。
全てをとじ終えたら、裏表紙に目次となるコンテンツシールを張り付けて完成。自分だけのオリジナルアンソロジーの出来上がりです。
筆者は今回、幻想的な出来事が生じたり、生死の輪郭があいまいに感じられたりしそうな小説を選んで短編集を編んでみました。他にも無頼派作家だけを集めたり、怪奇小説やプロレタリア文学など1つジャンルを決めて時代を横断してみたり、いろいろなコンセプトがあると思います。
もちろん、1人の作家の作品集を組んだり、好きな作品だけ集めたり、“読んだことないけど何となく気になった集”を作ってみたり……楽しみ方は無限大です。「自分なりの切り口で、今までになかった短編集を作れるかもしれない」と思うとワクワクしますね。
どうやって短編集を作ったらいいか分からないという人には入門用の『ポケットアンソロジースターターキット』も2種類用意されています。特に『ポケットアンソロジースターターキット 初めての世界』はアンソロジストの荒川洋治さんが選ぶ最良の短編小説入門となっているそうです(もう1つの『ポケットアンソロジースターターキット 詩のようなもの』は紀伊国屋書店新宿本店限定商品)。
「ポケットアンソロジー」は、紀伊国屋書店新宿本店やジュンク堂書店池袋店など都内の書店の他、神奈川・栃木など関東近郊の書店、関西は大阪の梅田蔦屋書店にて販売中です(詳しくは公式サイトを参照)。また、近くに取扱店舗がない人はオンラインショップでも購入できます。
※画像提供:naruさん(@naru_di)、田畑書店(Twitter/Facebook/公式サイト)
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