8月21日に10年ぶりの復活を果たす書店「丸善 京都本店」(関連記事)が、梶井基次郎の小説「檸檬」の舞台であったことにちなんで、店内にレモンを置くためのカゴを設けます。開店後は「檸檬」の文庫本を平積みするなど、同作に関するさまざまな企画を展開する予定です。
「丸善 京都本店」は、初代となる店舗が1907年に京都・三条通麩屋町で開店。近代文学の名作「檸檬」において主人公が立ち寄り、積み重ねた本の上にレモンを置いて何食わぬ顔で去るというラストシーンの舞台として有名です。店舗は河原町通蛸薬師へと移転するのですが、2005年に閉店。当時は閉店を惜しむ文学ファンたちがラストシーンを真似てレモンを置き去っていったと話題になりました。
そして2015年8月21日、10年ぶりに店舗が京都市のファッションビル「京都BAL」地下1・2階にオープンするのですが、復活が決定したときも「レモンを置きたい」という声がネットなどで飛び交いました。本に直接置かれるのは難しいけど要望に応えたいということで、新店舗では地下2階のエスカレーター横にレモン専用のカゴを設置。18日のオープニングセレモニーではさっそく京都市長がカゴへ1個置いたそうです。
このほか、レモンにちなんだ黄色いオリジナル文具の5点セット(500円)も、限定150セットで販売。レジで2000円以上購入した人には先着1万人までオリジナルノート「檸檬ノヲト」を配布したり、店内カフェでは京都本店限定でレモンケーキも提供したりと、「檸檬」に携わった企画を多数用意します。
麩屋町時代から受け継いでいる鬼瓦や、丸善の店員が昔着ていた半てんと前掛けも展示するなど、老舗書店の歴史も感じられる場所となりそう。営業時間は11時から21時まで。
(黒木貴啓)
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