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プロデューサーに制作費を持ち逃げされ、アニメを自腹で作った話 被害に遭った監督と原作者に聞いた(3/3 ページ)

裁判が終わったと聞いて、お話を聞いてきました。

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――そんな苦労をされて、クラウドファンディングまでして3期を制作しようと思ったのはなぜなのでしょうか?

深瀬 2期まで作らせていただいて、「嫌パン」はすごくファンの人たちに愛されてる作品なんです。僕自身とても愛を持って作っていて、「作品にとってベストな表現はなんなのか?」と40原さんの家にバイクを飛ばして対面でぶつかりあう事もありました。

 そのくらい大好きな作品なんです。

40原 余談ですが、3期は前回の制作から時間が空いていたので、一般人に戻りかけていた深瀬監督の脚本を1話分全てボツにしたこともありましたね(笑)。

深瀬 当時の売り上げを見てこの感じだったら“3期が作れる!”と40原さんと一緒に喜んでいたのですが、Sのせいでそういった話がすべて白紙になってしまいました。これが一番悔しかったです。

 お金も奪われて作品の未来まで奪われてしまうなんて、あってはならないことです。でも、現実として3期の制作には2期のゴタゴタの負債がのっかってきてしまう。

 2期の残りと3期のアニメ制作費は、私の地元北海道で将来的にマンションを購入しようと貯めていたお金を崩したのですが、いま一歩足りませんでした。本当はこうした雑音はあまり発表したくなかったのですが、皆さんのお力をお借りする形で制作費の足りない部分をクラウドファンディングさせていただく事になりました。

40原 座組を一新して、なぜクラウドファンディングを? という疑問はファンの間にもあったと思います。私の中での一番は「良い作品をここまで作ってくれた監督を助けたい」という気持ちでした。私同様に、他にも多くの関係者に今回ご協力いただいており、それはひとえに監督の人柄だと私は感じています。

 実を申しますと、嫌パンアニメの1期2期は予算をかなり上回るクオリティーで作っていただきました。その中で、ただ損失分の支援を募るだけではなく、私としても新しいアニメだったり企画につなげていければファンの皆さまにもお返しできるのではと思っています。

 監督からピンチをチャンスに替えてアニメを作らせてくださいと言われたときに、私もまずは監督を助けたいと手を挙げました。

――最後に一言ずつお願いします。

40原 今回インタビューを受けましたのは、クラウドファンディングを成功させたいのはもちろんですが、作家や日本が誇るアニメ文化を守っていきたいと思ったからです。アニメで儲けられているのは正直ごく一部の会社だと考えております。その中で、良い作品を作り残したいという気持ちで皆様日々切磋琢磨されております。

 ただ、まとまったお金が動く業界でもあり、それに目を付けて悪いことを考える人も陰で存在しているのが現状です。この事実を少しでも多くの方に知っていただき、“私腹を肥やすためだけにアニメを利用する人を絶対に許さない”という意識がより広まりれば、アニメ業界の風通しも良くなると思います。

 さらに深瀬監督には「嫌パン」をはじめ、他のアニメもたくさん作って世に出していただかなくてはなりませんので、本来であれば裁判なんかに時間を割いていい人ではないんです。おパンツを描いている人が何を言っているんだ! と思う方は少なからずいらっしゃるかと思いますが、どうかご容赦ください……。ここまで読んでくださりありがとうございました。

深瀬 「嫌パン3(仮)」を作るのにあたって、40原先生をはじめ、いろいろな方に協力していただいています。アニメーターや脚本家のみなさんも本当に協力的で、会社としても、僕個人としても感謝しかありません。

 そして今クラウドファンディングで応援していただいている方は、この情報を知らずに純粋に応援してくれていたということで涙が出てくる思いです。本当にみなさんありがとうございます。今後ともアニメ「嫌な顔されながらおパンツ見せてもらいたい」の応援を何卒よろしくお願いします。

 


 

 そんな深瀬監督と原作40原さんの思いが詰まった「嫌な顔されながらおパンツみせてもらいたい ver.3.0」のクラウドファンディングは、9月23日まで実施中。支援額に応じたさまざまな返礼品が用意されており、新作の本編データに加えて設定資料集や過去作の原画集がもらえるコース、参加声優のサイン入り台本がもらえるコースなど複数のコースから選べるようになっています。

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