浅沼晋太郎、12年ぶり「私」役でナレーションへ大きな不安 「四畳半タイムマシンブルース」で発見した前作との“違い”とは(2/3 ページ)
夏目真悟監督との対話で「ようやく自分の中にスッと落とし込むことができて」。
ヒロインの明石さんは「わからない部分がチャーミング」
―― 今作では、坂本真綾さん演じるヒロインにして「私」の想い人・明石さんともかなり絡む機会が多かったですが、明石さんをどのようなキャラだと受け止めていますか?
浅沼 「四畳半神話大系」を好きでいてくださった方で、明石さんを嫌いな方っていないんじゃないかっていうぐらい、男女どちらからも憧れられる存在ですよね。言葉を借りるなら、本当に「マドンナ」なんだと思います。
すごくわかりやすくすてきなキャラというよりも、わからないところがいっぱいあるから、よりいっそう気になる存在になっているんじゃないかと思っていて。そのわからない部分っていうのが、すごくチャーミングだしミステリアスでもあって……もっと知りたいって思うような“黒髪の乙女”ですね。
―― 明石さんが「一生の不覚です」と言った際の悔しげな顔など、前作と比べて明石さんの表情豊かな場面もかなり見られました。その点についてはどのように考えていますか?
浅沼 明石さんに限らず、小津も親しみやすくなっていますね。
―― 本当にそうでした!
浅沼 「私」の面倒くささもちょっと薄れているというか、物語をけん引していってくれてる、前作から成長している感じがあって。
(同作のキャラクター原案を担当した)中村祐介さんが新たにデザインしたファッションなども相まってすごくとっつきやすくなったイメージですよね。だから、明石さんもなるべくして、ああいうポップなキャラに生まれ変わったのかなと。
―― 「私」と小津の丁々発止のやりとりも、どこかかわいらしくなりました。
浅沼 「四畳半神話大系」のときの小津って、事件の裏で暗躍するような展開も多くて、えたいのしれないモンスター感が強かったと思うんです。今回はわりと“どうしようもない悪友”っていう位置をずっと守り続けていて。
それがまた、僕たち見ている側の周りにも、多少大げさかもしれないけど「あんな人いたなぁ」って思わせるような親近感が湧くキャラになったんじゃないでしょうか。
「四畳半神話大系」出演前後は自分にとって“忘れられない時期”
―― 浅沼さんは前作について、「ターニングポイントになった」とさまざまな機会におっしゃっています。「四畳半神話大系」への出演前後で大きく変わったことについてうかがえますか?
浅沼 「四畳半神話大系」出演時には、上田さんが脚本を書いていたことがもちろん起因していたかと思うんですけど、演劇業界や、アニメに普段接していない方々もたくさん見てくださって。
あとは、渋谷パルコで「神話大系」のイベントが決まったすぐ後に、東日本大震災が発生して。そのときの記憶は忘れられないですね。
―― そうなんですね……。
浅沼 震災後のイベント開催で、ポストカードを買ってくださった方全員にサインさせていただいて、その売上を義援金に回したんですけど、おそらくその日が、僕が人生で一番多くサインしたときじゃないかと思います。
作品を通して、皆さんの「被災地へ何かをしたい」という想いに直接触れられたこともあって、印象深かったですね。自分が東北出身だという事情も相まって、忘れられない時期でした。
―― もし今回同様、浅沼さんの目の前にタイムマシンが突然現れたとしたら、いつへ旅立ちたいですか?
浅沼 父が生きていたころですね。お酒を一緒に酌み交わせたらいいなと思います。
(c)2022 森見登美彦・上田誠・KADOKAWA/「四畳半タイムマシンブルース」製作委員会
公開情報
・「四畳半タイムマシンブルース」
9月30日(金)より3週間限定全国ロードショー
ディズニープラスで独占配信中(配信限定エピソード含む全6話)
監督:夏目真悟
脚本:上田誠(ヨーロッパ企画)
原作:森見登美彦・著/上田誠・原案『四畳半タイムマシンブルース』(角川文庫/KADOKAWA刊)
キャラクター原案:中村佑介
音楽:大島ミチル
主題歌:ASIAN KUNG-FU GENERATION「出町柳パラレルユニバース」(Ki/oon Music)
出演:浅沼晋太郎、坂本真綾、吉野裕行、中井和哉、諏訪部順一、甲斐田裕子、佐藤せつじ、本田力(ヨーロッパ企画)
制作:サイエンスSARU
配給:KADOKAWA/アスミック・エース
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