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クマに遭遇して「どうしたらいいのかわからなかった」 SNSに投稿された体験談に注目集まる クマへの対策を環境省に聞いた(1/2 ページ)

秋は、熊の活動が活発化します。

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 登山中に熊に遭遇した人が、Twitterで状況を報告し注目を集めています。山に登るときのクマ対策はどうしたらよいのでしょうか。環境省に聞きました。

熊に襲われた人の写真熊に襲われた人の写真・アップ 幸い大きなケガはありませんでしが、痛々しい傷痕がみえます

 被害に見舞われたのは、写真家のげんきさん(@motoki19910513)。10月10日に奈良県の大台ヶ原ビジターセンターから登山を開始し、12時30分ごろ、日出ヶ岳手前の見晴らし台で景色を眺めていました。

 すると、背後から馬の鳴き声のようなものが近づいてくるのが聞こえ、振り返ると大きな黒い塊が突進してきていました。すぐにクマだとわかりましたが、どうしたらいいかわかりません。動かないのが定石だとは知っていましたが、自分をめがけて突進してきているので逃げるしかない状況です。

 逃げるにも、そこは見晴らし台の柵に囲まれていました。このままでは柵と熊に挟まれてつぶされると思い、柵を跳び越えて4メートルほどの高さの崖を落下しました。

 落下したあとも追いかけてくるかもしれないと思い、すぐに起きて、動かずに固まっていた友人のもとへ行き、ともに下山。幸い、大きなケガはありませんでしたが、スマホの画面はバリバリに割れ、顔にはすり傷ができるという痛々しい状況に。注意喚起の意味も込めて、下山直後に撮影した動画をYouTubeで公開しています。「その瞬間はパニック状態で、どうしたらいいのかわからなかった」と振り返っています。

 今の時期、クマの出現は多いのでしょうか? 編集部が環境省の吉野管理官事務所に聞いたところ、今はクマが冬眠前に栄養を摂取する時期で、エサを探して行動が活発化するとのこと。

 さらに、山に行く際の注意点を同事務所に聞いてみました。まずはクマと出会わないようにする対策として、「クマ鈴など人がいることをクマに知らせる装備を持つ」「食品を適切に管理して熊を誘引しない」「早朝・夜間を避ける」こと。特に今の時期は調理を控え、また、ものを食べたあとのゴミなどはにおいが出ないよう管理しましょう。日中に利用者が多い場所では、熊は人がいない時間に出没するため、早朝・夜間は遭遇する可能性が上がるそうです。

 それでもクマに遭遇してしまった場合には、どう対処したらよいでしょうか。まずは近づかないこと。写真撮影などはやめましょう。次に、驚かさないこと。大声で叫んだり、物を投げたりして刺激を与えると寄ってくる可能性があります。また、背を向けて逃げると追う習性があるので、背を向けずにゆっくりと後退します。

クマに出会わないためにすること

  • クマ鈴など人がいることを熊に知らせる装備を持つ
  • 食品を適切に管理して、熊を誘引しない:特に秋は調理を控える、ものを食べたあとのごみなどはにおいが出ないよう管理する
  • 遭遇リスクを減らす:日中に利用者が多いような場所は、熊は人がいない時間に出てくる。早朝・夜間は熊と遭遇する可能性が上がるので利用を自粛する

出会ってしまったときの注意:

  • 近づかない(写真撮影などしない)
  • 驚かせない(大声で叫ぶ、ものを投げるなど刺激を与えると寄ってくる可能性がある)
  • 背を向けて逃げると追う習性があるので、背を向けずにゆっくりと後退

 げんきさんは、クマ鈴を鳴らすなどして注意もしていましたし、食べ物も食べていなかったとのこと。それでも遭遇してしまうことはありますが、知識をもっていれば防げる事故もあるでしょう。環境省のWebサイトには、熊に会わないための工夫、熊に出会ったときの注意事項をまとめた冊子のPDFが掲載されているので、山へ行く予定がある方は事前にチェックするとよいでしょう。

画像提供:げんき | ほとんどfilm写真(@motoki19910513)さん

高橋ホイコ

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