電波ではなく、音でスマホとデータを連携する体温計があるとTwitterに投稿され話題になっています。約4万件のいいねが寄せられ、技術への関心や独特な音への反応が飛び交っています。
投稿したのは、Twitterユーザーのほげ氏(@hoge44RR)さん。スマホとの連携はBluetooth接続を使うのが一般的ですが、この体温計は音を使っています。体温計からの音をスマホのマイクで受信することで、スマホアプリにデータを転送する通信方式です。ほげ氏さんは2000円弱で購入したそうで、Bluetooth接続ができる体温計と比べて手ごろ。
この製品は2021年3月に発売されたオムロン ヘルスケアのMC-6800B。検温終了後、専用アプリを開いて体温計をスマホのマイクにかざすと検温データが記録できます。ジジジジ……というような、あまり聞く機会のなさそうな独特なブザー音が鳴ります。
なぜ電波ではなく音波を採用したのか? その背景について、オムロン ヘルスケアに聞きました。同社の通信機能付きの製品は、基本的にはBluetooth通信を採用しているものの、MC-6800Bについては「コロナ渦で、体温計のニーズ、特に毎日の体温を記録して管理したいというお客様のニーズに少しでも早くお答えするために、開発期間を短くする方法を検討しました」という事情があったといいます。
「Bluetooth通信の場合、チップを埋め込む必要があるため従来の体温計の形や構造を見直さなければならない事情がありましたが、体温計はもともと測定完了をお知らせするブザーが搭載されており、その音を出す部品を活用できないかというアイデアから音波通信を採用しました」(オムロン ヘルスケア)
さらに同社は、音波通信はBluetoothのようなペアリングの作業が不要なため、誰でも簡単にスマホにデータを転送できることから、「手軽に発熱時の体温の変化の確認や毎日の体調管理に活用いただくことができ、体温計に最適な通信方法だと考えました」としています。
音波通信の採用には、市場のニーズに応えるべく製品投入を迅速化するためという背景がありました。Twitterでは利用する側のメリットとして、「電波厳禁な場所でも使える!!」という点が挙げられた他、Bluetooth接続はデバイスでひも付いてしまうため「家族で共有する可能性がある体温計はこちらの方式のほうが便利ですね」といった声も寄せられています。
画像提供:ほげ氏(@hoge44RR)さん
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