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冷たい雨の日に手のひらサイズの子猫5匹を発見、唯一助かった命は今や…… 「うっとうしいぞ」と叱られるほど元気に育った姿がグッとくる

第18回は保護猫「豆太郎」くんです。

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 近年、動物の虐待や飼育放棄、悪質な業者による販売、不適切な飼養が社会問題となっています。個人や団体、地域が行き場をなくした動物たちを守るため、日々保護活動に取り組む一方で、動物たちが命を失う悲劇は後を絶ちません。

 昨今、COVID-19(新型コロナウイルス感染症/以下、コロナ)の影響でペットを飼う人が増加。一般社団法人ペットフード協会全国犬猫飼育実態調査によると、2021年の新規飼育者は犬がわずかに減少しているものの猫は昨年より多く、ともにコロナ前より増加している結果となっています。

 そんなペットブームの裏には、多頭飼育崩壊や飼育放棄などの問題が潜んでいます。家族の一員としてかわいがられるペットたちが多くいる一方、飼育放棄されたたくさんの犬猫たちが愛情を求め、里親を探しているのです

 そこで、ねとらぼ生物部では保護動物と暮らす読者にアンケートを実施。寄せられた数々のエピソードと写真を紹介するとともに、尊ぶべき命の輝きや、愛する家族との暮らしの喜びを伝えていきます。

へそ天保護直後の豆太郎くん
保護直後は手のひらに収まるほどの大きさだった子猫が……

 第18回は飼い主・こうめっこさんと暮らす「豆太郎」くん(現在の年齢:5歳)。5匹発見された子猫のうち唯一命をつなぎとめたものの、保護直後は目が半分しか開かず、歩くこともできなかった子猫が今や――。元気ないたずらっ子に成長した胸が熱くなるエピソードをご紹介します。

―― 豆太郎くんとの出会いと、保護当時の状況を教えてください

 こうめっこさん:2017年の3月、寒い雨の日に草むらにいる子猫を、一緒に暮らしている秋田犬が散歩中に発見しました。子猫は手のひらに収まるサイズで全部で5匹いましたが4匹は助からず、1匹だけ辛うじて命をつなぎとめました。

目が半分閉じている豆太郎くん
目は半分しか開かず、耳もまだふさがっていました

 子猫を発見したときはとにかく「死なせてはならない」と思い、すぐに動物病院へ連れていきました。獣医師さんいわく、子猫は生後12日ほどとのこと。子猫の目は半分しか開いておらず、耳はまだふさがっていて歩くこともできない状態でした。

 保護した後は3時間おきにシリンジで授乳し、排せつのお世話をしました。猫の飼育経験がないうえに乳飲み子のお世話だったので、人間のほうが必死でした。

 同居する2匹の秋田犬との顔合わせは“1秒”から始め、毎日少しずつ時間を伸ばし、お互いの存在に慣れてもらいました。

秋田犬と豆太郎くん
先住ワンコたちとは少しずつ面会時間を伸ばしていったそうです

―― 豆太郎くんの現在の様子を教えてください

 こうめっこさん:豆太郎は少しアレルギーがあるものの、元気いっぱいなイタズラぼうずに育ちました。元気いっぱいに走り回りすぎて、同居する秋田犬に「うっとうしいぞ」と時々叱られています。なぜかゆでたて熱々のブロッコリーや、ほうれん草のおひたしが好きな変わった子です。断然犬派だった私たち夫婦に、日々猫の魅力を伝えてくれています。

黒っぽいワンコと豆太郎くん
先住ワンコと一緒に
雑誌にごろんする豆太郎くん
これは雑誌が読めないやつ……!
前脚で手をつかまえる豆太郎くん
「つかまえた!」

 実は豆太郎を保護した後に生後2カ月ほどの子猫を2回保護しましたが、ともに無事里親さんが見つかり幸せに暮らしています。また現在少しだけではありますが、地域猫見守り活動にも参加しています。

―― 最後に、保護動物に対する思いを聞かせてください

 こうめっこさん:豆太郎たちは「栄養状態が悪くなかったこと」「ノミ・ダニがついていなかったこと」「野犬の群れが近くにいて隠れる場所がないこと」「急斜面の土手で母猫が子育てするとは思えないこと」、この4点から人間が捨てたと考えています。

 私は現在殺処分ワースト1位を争う県に住んでいますが、朝から雨が降っていた寒い日を選んで猫たちを捨てたのかと思うと正直怒りがわきます。本当に許せません。命を落としてしまった4匹の分も元気で長生きできるよう、これから先も豆太郎をかわいがっていきたいです。

伸び豆太郎くん
のびーん
抱っこされている豆太郎くん
今では元気いっぱい! な豆太郎くんなのでした

(了)

 出会った当時の状態からは想像もできないほど、やんちゃで元気いっぱいに育ったという豆太郎くん。こうめっこさんの「死なせてはならない」という強い思いがつないだ小さな命のエピソードに、胸がぐっと熱くなりました。豆太郎くんの現在の様子はこうめっこさんのInstagram(sanukinoshirousagi)で見られます。

 豆太郎くんたちを捨てた人に何か事情があったとしても、命を捨てる行為を正当化することはできません。飼育している動物が望まぬ出産をして困った場合は、捨てるのではなく愛護団体や身近な人に相談をして命をつないでいくこと、そして妊娠・出産を希望しない場合は事前に避妊・去勢手術をすることが当たり前になりますように……と願わずにはいられません。

豆太郎くんとワンコの背中
こうめっこさん、ありがとうございました!

 ねとらぼ生物部では、引き続き「保護動物のエピソード&お写真」を募集しています! 犬猫、小動物、爬虫類など、動物のジャンルは問いません。アンケート内容とお写真は部内で審査の上、記事で紹介する可能性があります。

 愛する家族との出会いのエピソードや、クスッと笑ってしまうかわいいお写真など、お気軽に【こちら】までお寄せください。皆さまからのご応募、お待ちしています。

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