近年、動物の虐待や飼育放棄、悪質な業者による販売、不適切な飼養が社会問題となっています。個人や団体、地域が行き場をなくした動物たちを守るため、日々保護活動に取り組む一方で、動物たちが命を失う悲劇は後を絶ちません。
環境省Webサイト「動物の愛護と適切な管理」は、2020年4月1日〜2021年3月31日に殺処分された犬・猫の全国総数が2万3764匹と発表。昨今、国内では殺処分への否定的な意見と保護への関心が高まり、殺処分数は減少傾向、保護犬・猫の譲渡数は増加傾向を見せています。微力でも地道に保護という選択を伝え続けていくことが、動物たちの命を守ることにつながるかもしれません。
そこで、ねとらぼ生物部では保護動物と暮らす読者にアンケートを実施。寄せられた数々のエピソードと写真を紹介するとともに、尊ぶべき命の輝きや、愛する家族との暮らしの喜びを伝えていきます。
第17回は飼い主・ももねこさんと暮らす猫のうりちゃん(現在の年齢:4歳)。ごみネットの上で寝ていたうりちゃんを保護するまでの経緯や、保護当時のエピソードをご紹介します。
―― うりちゃんとの出会いと、保護当時の状況を教えてください
ももねこさん:うりは2018年の夏に家の近くで生まれた子猫です。親や兄弟と行動をともにせず、いつもひとりでいることが多かったです。夜も雨の日もごみネットの上で寝ていました。
そんなある日うりが事故に遭ってしまい、みとる覚悟で動物病院へ連れて行きました。各地で気温が40度を超えるほど、過去にない異常な暑さだったことを覚えています。
診断の結果はまさかの大きなケガもなく元気とのこと。その後、うりを家族として迎え入れることにしたんです。
保護当時のうりは生後2〜3カ月ほどで、ガリガリに痩せて目ヤニが出ており、鼻も黒くてノミだらけでした。最初のころはお家でずっと寝ていることが多く、外での暮らしがとても過酷だったんだなと思い、心がきゅっと辛くなりました。
―― うりちゃんの現在の様子を教えてください
ももねこさん:現在はすっかり元気になり、おしゃべり猫になりました。毎朝私を起こしに来てくれて、私もうりに育てられているように感じます。
―― 最後に、保護動物に対する思いを聞かせてください
ももねこさん:うりを保護したときは、本能で「どうにかしなければ!」と思って行動しました。“一つの命と一緒に生きていく”という覚悟はあっても、助ける術が分からずちゅうちょしてしまう人も少なくないと思います。
助けてあげたい猫と出会ったとき、その術を知っておけば猫に手を差し伸べられる人が増えるかもしれないと思います。
(了)
事故に遭ったうりちゃんを見て、本能的に体が動いたももねこさん。奇跡的に大きなケガもなく元気だったこと、ももねこさんと家族になれたこと、この2つの奇跡の重なりに胸が熱くなるエピソードでした。
安心して眠れるお家ができて、おしゃべりもしてくれるようになった現在の様子を聞くと、とてもほほえましい気持ちになりますね。ももねこさんのTwitter(@momonecoblog)では趣味の投稿や、のびのびと暮らすうりちゃんの様子をのぞくことができます。
ねとらぼ生物部では、引き続き「保護動物のエピソード&お写真」を募集しています! 犬猫、小動物、爬虫類など、動物のジャンルは問いません。アンケート内容とお写真は部内で審査の上、記事で紹介する可能性があります。
愛する家族との出会いのエピソードや、クスッと笑ってしまうかわいいお写真など、お気軽に【こちら】までお寄せください。皆さまからのご応募、お待ちしています。
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