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約8割の女性が「仕事において生理で困った経験」あり 低用量ピルでパフォーマンス向上も、金銭的負担に不安感(1/2 ページ)

働く女性と、ピル使用者の両方に調査。

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 オンライン診療などを展開するクリニックフォアグループが3月8日、「働く女性の生理の影響に関する実態調査」の結果を発表しました。調査からは、約8割の女性が「仕事において生理で困った経験がある」、低用量ピルを服用する女性の半数近くが金銭的な負担を感じているなどの実態が明らかになっています。

7割以上が仕事中に生理で困った経験あり

 調査の対象となったのは、働く女性610人と、クリニックフォアグループの低用量ピルを服用する働く女性510人の、計1120人。まずは、働く女性610人に対しての質問結果です。

 「仕事において生理で困った経験はありますか?」という質問は、とてもある(18%)、ある(22%)、どちらかというとある(22%)という結果に。程度の差こそあれ、約8割の女性が生理を理由に困った経験があると回答しています。

 困ったことの内容は、「経血が漏れていないか心配になる」(62%)が最多。次いで多いのは「生理による不調が辛くても仕事を休めない」(52%)、「イライラなど精神状態が不安定になり、周囲とのコミュニケーションに困る」(37%)でした。

働く女性の生理の影響に関する実態調査 仕事において生理で困った経験はありますか? (働く女性の生理の影響に関する実態調査・クリニックフォア調べ)
働く女性の生理の影響に関する実態調査 仕事において生理で困ったこと(働く女性の生理の影響に関する実態調査・クリニックフォア調べ)

 また、「生理の影響で、仕事のパフォーマンスが下がったと感じた経験はありますか?」という質問は、とてもある(22%)、ある(33%)、どちらかというとある(26%)という結果に。8割以上の女性がパフォーマンス低下を経験していることがうかがえます。

 なお、パフォーマンスの低下に対しては、64%の女性が対策を行っている(「対策をしており、効果が出ている」28%、「対策をしているが、それでもパフォーマンスが下がってしまう」36%)とのこと。対策の内容としては、痛み止めの服用(73%)が最も多く、お腹を温める(47%)、休息や睡眠を取る(37%)、低用量ピルを服用する(21%)があがっていました。

働く女性の生理の影響に関する実態調査 生理の影響で、仕事のパフォーマンスが下がったと感じた経験はありますか?(働く女性の生理の影響に関する実態調査・クリニックフォア調べ)
働く女性の生理の影響に関する実態調査 生理の影響で、仕事のパフォーマンスが下がったことに対して、何か対策はしていますか?(働く女性の生理の影響に関する実態調査・クリニックフォア調べ)
働く女性の生理の影響に関する実態調査 どのような対策を講じていますか?(働く女性の生理の影響に関する実態調査・クリニックフォア調べ)

低用量ピル服用でパフォーマンス向上、しかし負担も

 続いて、クリニックフォアグループの低用量ピルを服用する510人の女性への調査です。

 「低用量ピルの服用によって、服薬を開始する前と比べて働きやすくなったり、仕事のパフォーマンスが向上したと感じますか?」という質問では、とても感じる(17%)、感じる(29%)、どちらかというと感じる(24%)と、約7割の女性がパフォーマンスの向上を感じていることが分かりました。

 「パフォーマンスの向上」を感じた理由としては、生理の不調を我慢して働かなくなった(54%)、経血漏れの心配がなくなった(50%)、生理用品を交換する頻度が減った(46%)が多くあげられています。

働く女性の生理の影響に関する実態調査 低用量ピルの服用によって、服薬を開始する前と比べて働きやすくなったり、仕事のパフォーマンスが向上したと感じますか?(働く女性の生理の影響に関する実態調査・クリニックフォア調べ)
働く女性の生理の影響に関する実態調査 そのよう(服薬を開始する前と比べて働きやすくなったり、仕事のパフォーマンスが向上した)に感じる理由を教えてください。(働く女性の生理の影響に関する実態調査・クリニックフォア調べ)

 一方で、「低用量ピルの服薬を継続するなかで困ったことや負担に感じること」を問うと、金銭的負担が大きい(46%)が最多に。次いで、服薬を忘れしまう(31%)、他の薬との飲み合わせなど、注意しなければいけないことがわからない(26%)が続いています。

働く女性の生理の影響に関する実態調査 低用量ピルの服薬を継続するなかで困ったことや負担に感じること(働く女性の生理の影響に関する実態調査・クリニックフォア調べ)

 調査結果からは、多くの女性が生理による不調や、パフォーマンスダウンを抱え、それらに問題意識を持っていることがうかがえます。また、それらを軽減できる可能性がある低用量ピルは、飲み続けることが必要なこともあり、金銭的負担を感じながら服用する女性も少なくないようです。

 3月1日には、「ドン・キホーテ」運営元のパン・パシフィック・インターナショナルホールディングスが、女性社員および社員のパートナーを対象に、低用量ピル服用にかかる費用を全額補助する制度を発表(関連記事)。こうした制度のように、生理やそれにまつわる金銭的な負担を解消するためのサポートが得られれば、仕事でより力を発揮できる人が増えるのではないでしょうか。

(谷町邦子 FacebookTwitter

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