ジェンダーレスなスクール水着「男女共用セパレーツ水着」本格販売 「体型が気にならない」「PTAも肯定的」と学校から好評(1/2 ページ)
テスト販売を経て、上着のめくれを防ぐ「めくれ防止ループ」、上着の撥水加工の2点を改良。
水泳・学校用品のフットマークは、2022年6月に発売した、肌の露出を抑えたジェンダーレスなスクール水着「男女共用セパレーツ水着」に改良を加えて本格販売をスタートしました。4月19日に開催の発表会では、実際に着用した子どもたちや先生からの反応や、改良点などを紹介しました。
「男女共用セパレーツ水着」は、上半身の露出を抑える長袖、ゆったりとしたシルエットとウエスト部分のストレートな仕様など体型が目立たないデザインであると同時に、ハーフパンツに撥水加工を施し、左右に空気の抜け穴を作って膨らみにくくするなど泳ぎやすさも追及しています。
2022年のテスト販売では、東京都と兵庫県の公立中学校の計3校が、従来の水着と選択できる形で導入。学年の約半数の生徒が同商品を選んだ学校もあったそうです。
大人からも好評
フットマークが試験的に採用した学校にインタビューを行ったところ、「体型も気にならず、ピッタリくっつかないからとてもよい」「5段階評価で成績をつけるならいくつ? と生徒に聞くと、4か5! と返ってきた」「ジェンダーの悩みを抱えた生徒も、全く問題なく着用できた」「PTAさんからも肯定的な意見がでていた」「他校の体育科の先生がうちでも扱いたいと言っていた」「校則改定のひとつに『水着を変える』ということを入れた」などの声が寄せられたといいます。子どものみならず、大人からも好評を得ているようです。
さらに、採用校へのアンケート調査を実施し、その結果を受けてリニューアル。「水中ですそがめくれないか心配」という声に応えて上着のすそのめくれを防ぐ「めくれ防止ループ」を付け、これまではパンツのみだった撥水加工を上着にも施しています。
今年度(2023年度)は200校以上が採用を検討。プールの授業が始まる5月末から6月にかけて、さらに増えると予想しています。校種としては公立の中学校が最も多く、ほとんどの学校がこれまでの水着と併売します。
採用校の1つである、長野県岡谷西武中学校の体育科の先生は、インタビュー動画で採用までの経緯を語ってくれました。生徒が体型などを意識せずプールの授業に参加してほしいという思いから、同社に問い合わせて先生2人が試着したところ、保温性に優れ(学校が寒いところにある)、水に浮くようになっていてとても泳ぎやすかったこと、体のラインが気にならなかったことを実感して採用を検討。従来の競泳用水着やラッシュガードなど他の形態の水着に選択肢として加える形で導入するとしています。
一般販売も
男女共用セパレーツ水着は120センチ〜4Lの10サイズ展開で、希望小売価格は6710円〜7150円。学校向けだけではなく、フットマークの直営オンラインショップ、楽天で一般向けにも販売します。2024年以降は、バラ売り(現在は上下セットで販売)とカラーを紺色のみから黒との2色展開を検討しているとのことです。
なお、ジェンダーレス水着として話題になった「男女共用セパレーツ水着」ですが、商品名は「男女共用セパレーツ水着」。ジェンダーレス水着と表現すると意味を理解してもらいやすく、販促もしやすかったけれど、実際に使用する生徒が“ジェンダーレス”という言葉があると商品を手に取りにくいのではないかと懸念し、商品パッケージには「男女共用セパレーツ水着」と表記しているとのことです。
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