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北海道で新鉱物「北海道石(ほっかいどうせき)」が発見されたと、相模中央化学研究所が発表しました。
学名は「hokkaidoite(ホッカイドウアイト)」。炭素と水素のみよりなる有機化合物「ベンゾ[ghi]ペリレン」の天然結晶で、紫外線を照射すると美しく蛍光する希少な鉱物とのこと。
同研究所の田中陵二主任研究員が、萩原昭人氏、石橋隆氏(大阪大学)、井上裕貴氏(九州大学)らとともに北海道河東郡鹿追町と北海道上川郡愛別町の山林で発見し、5月26日に国際鉱物学連合に承認されました。
産地は保護のため一般公開はしていないものの、標本などをとかち鹿追ジオパークビジターセンター、北海道大学総合博物館、環境省・上士幌町ひがし大雪自然館、北海道博物館で展示予定。
なおエリア内で北海道石が発見された「とかち鹿追ジオパーク」の推進協議会長は、声明文で「ジオパークのエリア内から学術的に貴重な発見がなされたことは大変喜ばしい」としつつも、北海道石を含むオパールの盗掘への懸念を表明。産地は無許可採掘が禁じられている場所にあるものの、日常的にネットオークションなどで取引があり、違法採掘が行われていると考えられ、過去には盗掘者が書類送検される事案も発生しているといいます。
「オパール・北海道石の産するエリアはごく限られた範囲にしかなく、また、産地にはかつて温泉が湧出していた痕跡が残るなど、変動する地球の活動を知る上でも重要な場所であると考えられます。これらは、大規模な盗掘被害を被ると二度とその姿を復元できない状況にあります」として、違法な採取を慎み、貴重な自然遺産の保護・保全に協力するよう呼びかけています。
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