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「自転車のベル」の正しい使い方、法律の専門家に聞いてみた 歩行者が道を塞いでいるときの対処法は?(2/3 ページ)

白石綜合法律事務所の宮崎弁護士に聞きました

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ーー自転車が歩道を通行時にベルを鳴らして良いケース、ダメなケースを教えてください

宮崎弁護士:見通しのきかない交差点や道路等を走行している場合、道路交通法第54条第1項に規定されている状況の他、道路交通法第54条2項に定められているように「危険を防止するためにやむを得ない」と判断できる場合、すなわち突然人が飛び出してきた場合にベルを鳴らすのは許容されると思います。

 道路交通法第63条の4第1項で、自転車が歩道を通行することができる場合について定められていますが、原則として歩道では歩行者が優先です。また、同条第2項で「普通自転車の進行が歩行者の通行を妨げることとなるときは、一時停止しなければならない」とも規定されています。

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自転車の歩道通行について書かれている道路交通法第63条の4第1項(画像はe−GOVより)

 したがいまして、突然の飛び出しのように危険を防止するやめにやむを得ない状況ではない限り、単に歩道上の人が自転車の通行を妨げている状況では、歩道上で当該歩行者に対してベルをならすことは法律上許容されていません。

ーーそのような「鳴らしてはいけない状況」ではどのように対応するべきですか?

宮崎弁護士:一時停止して歩行者の通過を待つ、自転車を降りて押して歩くなどの対応をすべきです。


 自転車のベルは必要な時以外は鳴らしてはいけないものであり、必要とされる場合は「危険を防止するためやむを得ないとき」と「警音器を鳴らせという道路標識等で指定されている場所」に限られるとのこと。

 自転車はクルマやバイクなどと同じく、法律上は車両という扱いになるので、基本的には車道を走行することが義務付けられています。ただし、交通量が多くて危険など、一定の条件を満たす場合は歩道を走行することが許されますが、その場合は基本的に歩行者が優先されます。

 話題になっているトラブルが起きたケースのように、自転車で歩道を走行中に前方を歩いている人を発見しても、ベルを鳴らして道を譲るように促すといった行動はNGで、安全に通過できそうにないのであれば「一時停止する」「自転車を降りて歩く」など、歩行者の通行を妨げない対応を取ることが望ましいようです。

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