新潮社が発行する女子小学生向けの雑誌『ニコ☆プチ』最新号の付録漫画に、少女が幼なじみの少年から押し倒されてキスを迫られる場面が収録されているとして、批判の声が広がっています。『ニコ☆プチ』編集部は7月3日、公式サイトで「内容の一部にご不快な思いをされた読者、保護者の方がいらっしゃったことを重く受け止めております」などと謝罪しました。
問題視されているのは、6月22日に発売された『ニコ☆プチ 2023年8月号』。同誌には、小学館が発行する女子小学生向けの漫画雑誌『ちゃお』とのコラボレーション企画で、『ちゃお』の収録漫画を試し読みできる付録「ニコ☆プチ8月号 別冊ふろく ちゃお×ニコ☆プチ スペシャルコラボコミック」が付いています。付録には今回、批判の声を浴びた八神千歳さんによる『溺愛ロワイヤル』をはじめ、複数の漫画が収録されていました。
『溺愛ロワイヤル』は、人間の世界で暮らす14歳で、魔王の娘である神楽一姫(いつき)が、3人の「イケメン」の幼なじみたちに求愛される物語。同話では、幼なじみの黒崎十夜(とおや)が「どうして? 少しくらいエッチのほうがいいのに…」と言うと、そのまま「ボクが姫をエッチにさせてあげようか?」と唇を近づけて、一姫を押し倒す場面が描かれていました。一姫は「コラコラッ やめてっ十夜ッッ」と嫌がる様子を見せますが、十夜はくすっと笑って「やーだ」と拒否します。
SNS上ではこの場面が広く拡散され、小学生向けの雑誌に性的な内容が含まれることに加え、性的な行為をする際に互いの意思を確認する「性的同意」を得ていないとみられる描写であることに対して、問題視する声が広がっています。
『ニコ☆プチ』編集部は、「読者の年齢層にそぐわない内容が掲載されているのではないか」などの指摘を受けたとして、「今回のふろく制作にあたり、編集部は昨年夏に発行された人気の高い少女まんがを選定いたしました。読者の方にコミックの楽しさを知っていただきたかったからです」と、その選定理由を説明。
一方で、「内容の一部にご不快な思いをされた読者、保護者の方がいらっしゃったことを重く受け止めております。また、多くの方にご心配をおかけしてしまいました。申し訳ございません」と、非を認めて謝罪。「今後、編集部はより一層注意深く、読者と向き合うように努力を重ねてまいります」と述べています。
なお、ねとらぼ編集部では、新潮社および小学館の広報に、該当作品を収録した経緯などについて問い合わせ中です。
『ちゃお』編集部「お答えすることはありません」【7月4日14時20分追記】
『ちゃお』編集部は7月4日の14時15分、小学館の広報担当者を通して、本件について「お答えすることはありません」とコメントしました。
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