竹中直人、芸能界で40年生き残れたのは“弱音と諦めのよさ”のおかげ マーベル新作「シークレット・インベージョン」インタビュー(2/2 ページ)
2023年でデビュー40周年を迎えました。
竹中直人が芸能界で40年生き残ってきた理由 「諦めて生きていくことが一番」
―― 竹中さんご自身のお話も聞かせてください。2023年はデビュー40周年のメモリアルイヤーです。
竹中 僕もこの前友人と「ふと気付いたら40年だ」って話をしたんです。もうびっくり。
―― フューリーも長年たくさんの修羅場をくぐってここまで生き残ってきたキャラクターです。竹中さんがフューリーのように、芸能界でここまでサバイブしてきた秘訣(ひけつ)というか、理由はご自身でどう分析されていますか?
竹中 弱音を吐いてきたことかもしれないですね。「もうダメだ」って大切な友人に弱音を吐いてきたから、なんとかやってこられたんじゃないかな。
―― 今振り返ってみて、「思えばすごい大ピンチだったな」「あれがチャンスだった」というタイミングはありますか?
竹中 人に支えられてきたので大ピンチはなかったかもしれないですね。
これはチャンス! と言えることじゃないけど、昔、友人に誘われて1回だけ競馬をやったことがあるんです。直感的に浮かんだ馬の名前をお願いしたら1万円がなんと30万円になった。それから何年かがたち、911があった数カ月後、同じ友人に再び競馬に誘われたんです。以前と同じようにパッと頭に浮かんだ絶対これしかないって馬の名前を伝えたら、友人から「そりゃ、できすぎだよ」って言われて別の馬に変えたんです。でもそのまま買っていればなんと! 300万円の勝ちだったんです。
でもそこで運を使わなくてよかったのかな。「ま、いいか」っていろんなことを諦めて生きていくことが大切なんじゃないかなって思うこともあります。自分に期待しないって言うのかな(笑)。
―― シリーズ開始から10年以上が経過し、当初から登場しているキャラクターは変化しています。ニックも年を取り、今回の作品では老人になったから面倒という描かれ方もありました。竹中さんがニックと一緒に年を重ねて感じたことはありますか?
竹中 見られることが仕事の俳優が老いていく姿って切ないですよね。「老けたなぁ」って露骨に言われちゃいますからね(笑)。でもみんな平等に老いていくわけで、体に無理が利かなくなるのが現実です。ちょっと走ったら息が切れちゃったりね。
「シークレット・インベージョン」でもニックが「あなたはもう動けない」とか言われちゃってますからね。それでもめちゃくちゃアクションをやっています。やっぱりすごいですね。サミュエルはまだまだ動ける! ハリソン・フォードだって80歳になっても「インディ・ジョーンズ」を演(や)ってますしね! それを考えたら、老いるってある意味セクシーだと思います。だから年を重ねて枯れてゆくことはロマンチックなんだって思い込んで生きてゆこうと思います。枯れてゆく美学! なかなかいいでしょ? その感じ。
生々しく老いていくニックを見るのは僕にとっては切ないけれど、切なさ漂うニックの吹替はとても楽しかったです。ニックとは思えないため息もずいぶん多くなりました。ニックの細かい息遣いさえもやるのでたまらないです。
―― 最後に、ニック・フューリーといえば最強のボスという印象ですが、竹中さんがこの役を演じるにあたって参考にした、いわゆるボスのイメージは?
竹中 それはもうニック・フューリーそのものです。ニックの造形、スタイルをとにかく見て、監督と一緒にイメージを膨らませていきました。
今回難しかったのは、ニック・フューリーがいつものコスチュームじゃなかったことです。毛糸の帽子をかぶって、アイパッチもしていない。普通の服装だった。全くいつものニックじゃない。焦りました。ある意味、より人間的な姿を見せているって事ですね。「アベンジャーズ」の世界はみんなヒーローでありながらも普通の人間なんだってことも表現しています。今までのヒーローの世界とは全く違う。そういう意味で、今回はニック・フューリーがよりニック・フューリーである感じがしました。等身大って言葉は嫌いなので【生なニック・フューリー】とでもいうのかな。
―― 奥さんとのやりとりも描かれ、全然違う面が見えました。
竹中 柔らかい感じのニック。バーに入ったり、ご飯食べたりね、本当に不思議な体験をしました。声優のお仕事は疑似体験をするので、ある意味その人に乗り移る行為……あっ! そうだ! むしろスクラル人みたいな感じですね!
「シークレット・インベージョン」
毎週水曜日にディズニープラスで独占配信中
(C) 2023 Marvel
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