米ファッションブランドの「ヴィクトリアズ・シークレット」が9月26日、4年ぶりにランジェリーのファッションショーを開催します。1995年から始まり2019年に休止されるまで高い人気を誇ったこのショーの復活に先立ち、6日に米ニューヨークのマンハッタンセンターで特別イベントが行われ、そのレッドカーペットにそうそうたる顔ぶれが登場しました。
選び抜かれたトップモデルたちがきらびやなランジェリーを身に着け登場する豪奢なショーが長年人気だったヴィクトリアズ・シークレット(以下:VS)。しかし時代が全てにおいてインクルーシブなものへとシフトしていく中、一部の現実離れした美貌を持つモデルにフォーカスした同ブランドの方針は多様性に欠け、女性差別的であると批判を受けるように。VSの売り上げが格段に落ちた2018年、人気歌手リアーナが共同設立した「サヴェージ X フェンティ」はさまざまな肌の色・人種・体形へ向けた商品を発表し、猛烈な勢いで人気を高めていきました。
その後VSは時代に合わせ、ブランドイメージの一新を図ることに。2019年、長年人気を博したランジェリーのファッションショーを休止すると発表。2021年にはかつて人気絶大だったミランダ・カーやジャスミン・トゥークスらが務めたVSの広告塔である専属モデル“エンジェル”を廃止し、多様な分野で活躍するメンバーたちと“ポジティブな変化を促す”ことを目的とした「VSコレクティブ」を立ち上げました。
今回発表されたショーに登場するモデルたちの中には、歌手ジャスティン・ビーバーの妻ヘイリー・ビーバーや、1990年代のスーパーモデルブームの中でも異彩を放っていたケイト・モスの娘ライラ・グレース・モスなど、「お金があるからでは」「親の七光り」などファンから不満が噴出する人選もあったものの、その一方でアドリアナ・リマやキャンディス・スワンポール、ナオミ・キャンベル、ジジ・ハディッドらVSで輝きを放っていたトップモデルたちの復活にファンは大喜び。レッド・カーペットにはアドリアナやナオミ、ジジに加え、高い人気を誇ったテイラー・ヒル、グレース・エリザベス、リリー・オルドリッジらも登場しています。
また、モデルだけではなく80年代に世界中をとりこにした米俳優ブルック・シールズ、20世紀最後のミス・ワールド優勝者でインドの俳優プリヤンカー・チョープラーもゴージャスなルックで姿を見せました。
そして4年ぶりのショーはただ再開されただけではなく、VSがリブランディングに心血を注ぎこんできたことが強く感じられる面々も登場。「VSコレクティブ」のメンバーであり、7月に第一子となる長女を出産したばかりの女子テニス元世界ランク1位の大坂なおみ選手は、ショート丈のトップスにミニスカートというコーディネートで現れました。出産から約2カ月ながら、腹筋はすでに引き締まっておりさすがのひと言。2022年9月から公式戦には出場していない大坂選手ですが、2024年1月の全豪オープンへ出場する意向を明かしたばかりです。
さらにショーへも登場予定のプラスサイズモデル、パロマ・エルセッサーや、モデルとして唯一無二の存在感を示してきたウィニー・ハーロウも登場。ウィニーは4歳のとき、最近俳優の奥菜恵さんも罹患(りかん)を公表した「尋常性白斑」と診断され(関連記事)、困難をパワフルに乗り越えながらモデルとしてキャリアを積み上げる姿を世界中に示してきました。ウィニーが今回着用したゴールドの網目状になったドレスには、「ウィニーのドレス……すてき!」と彼女の個性を最大限に引き出していると賛辞が並んでいます。
9月26日にAmazonプライムで配信予定の「ヴィクトリアズ・シークレット・ワールド・ツアー」では、ロンドン、東京、ラゴス、ボゴタ、4つの都市から4人のアーティストが参加。それぞれがショーを制作し、その舞台裏までを公開します。
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