9月14日、プロ野球で阪神タイガースが18年ぶりに“アレ”(リーグ優勝)を達成しました。これを受け、道頓堀では飛び込み阻止のため厳戒態勢が取られるなどしていましたが、メタバース空間では「バーチャル道頓堀」にみんなで景気よく呼び込むイベントが開催されていました。その手があったかぁ……!
このイベントの正式名称は、「バーチャル道頓堀でダイブしよう集会」。メタバースプラットフォームの「VRChat」を使用し、道頓堀が再現されたバーチャル道頓堀へ参加者が一斉に飛び込みました。
現実世界では禁止されている極めて危険な行為ですが、バーチャル空間であれば危険性はゼロ。誰にも迷惑を掛けることなく、飛び込めます。現実世界ではできないことをバーチャルで解決する、実にメタバースを有効活用したイベントといえそうです。
では、どのような発想から、このイベントを開催するに至ったのでしょうか。主催者の燕谷古雅さん(@Tsubameyakoga)に話を聞いてみました。
―― このイベントを企画した理由をお聞かせください。
燕谷古雅さん: 9月13日のお昼、阪神がもうすぐ「アレ」が近いと気が付き、イベントのポスターを作ってみて夕方に投稿しました。予想以上の反応があってびっくりしました。仕事が終わってからニュースサイトのツイートのポストなどが2000件を超えていたことを知って、大変動揺しています。
イベントをやろうかとアンケートを取ったところで9割の人が賛成で投票していて、これはやらなくてはいけないと思いました。私はVRの知り合いの中で野球ファンが少ないのですが、思い切ってイベントを発案しました。
―― どのくらいの人が参加したのでしょうか。
燕谷古雅さん: 私はFriend+のインスタンスを開いていましたが、多くの人が殺到するのを予想してインスタンスの分散と他の人のイベントの並行をお願いしました。
私がいるインスタンスの方は途中退場した人を含めると50人でしたが、仲間からの情報だと、イベントが行われている時間帯は同時接続者数が300人超えになったと聞いて大変驚いています。
―― 参加者からの反響をお聞かせください。
燕谷古雅さん: 私はヤクルトとホークスのファンですが、ひいきじゃなくてもやってみたいという声もありましたし、阪神ファンだけでなく他チームのファンも参加していました。参加者の中に熱烈な阪神ファンがいて六甲おろしを合唱したり、野球トークも盛り上がりました。阪神ファンの参加者やVRChat関西部の方からは、とても好評をいただいています。
もともとVRChatのユーザーはお祭りとかどんちゃん騒ぎが好きなのもあり、楽しんでもらえて本当によかったです。
現実ではやってはいけないことをバーチャルの場で体験することは本当に素晴らしいものだと思います。これがメタバースの醍醐味(だいごみ)ではないでしょうか。
危険行為として現在では禁止された行為も、バーチャルの世界では盛り上がるイベントに昇華できる一例となったイベントといえそうです。なお、大阪市が運営するバーチャル大阪では、道頓堀から飛び込むと危険行為として注意されるようになっています。
画像提供:燕谷古雅さん(@Tsubameyakoga)
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