「諦めるしかないのか……」 中国の人気ブランド「SHEIN」で繰り返される“悪質パクリ販売” クリエイターが語った“憤り”と「限界」(2/4 ページ)
SHEINの「パクリ問題」に苦慮するクリエイターに話を聞きました。
「知財権侵害、意図に反する」SHEIN説明の裏で“まさか”の事態が発覚
SHEIN側は今回の事例をどう受け止めているのでしょうか。ねとらぼ編集部が同社のPR担当者を通じて取材すると、今回の事例は第三者がSHEINのプラットフォームを利用して販売したものとみられるとしつつ、次のように見解を示しました。
「SHEINは、デザイナー、アーティスト、及び他者の知的財産権を尊重し、全ての申し立てを真摯に受け止めます。正当な知的財産権の権利者から正当な申し立てが寄せられた場合、SHEINは速やかに対処し、事実確認できた場合、当該製品を当社のサイトから取り下げます。また、SHEINは他のプラットフォームでは販売しておらず、SHEINのウェブサイト及びモバイルアプリのみ展開しております。第三者の知的財産権を侵害することは、私たちの意図に反しており、当社のビジネスモデルでもありません。SHEINのサプライヤーおよびマーケットプレイスの販売者は、当社のポリシーを遵守し、自社の製品が第三者の知的財産権を侵害していないことを証明する責任を負っています。私たちは、潜在的な侵害商品を認識するために、専門に開発した画像認識技術への投資や、製品審査チームの拡充など、製品審査プロセスの向上に引き続き取り組んでいきます」
第三者の知的財産権を侵害することは、企業の意図に反する行為だとしたSHEIN。しかし、この回答をgonさんに伝えたところ、新たに驚くべきことが発覚しました。
「本日(10月25日)確認したところ、新作として同じイラストを無断使用した商品が販売されている状況で、根本的な解決にはなっていないと感じます」
取材中にも、gonさんのイラストに酷似したグッズ2商品のSHEINでの販売が確認できたというのです。いずれもおばけのイラストが描かれたペアキーホルダーで、価格はそれぞれ205円と243円。商品のレビュー欄には「お揃いにしたらめっちゃかわいい!!!!」「友達に1こあげる^^」「お花持ってる子も照れてる子もかわいすぎる」と日本語で書かれたコメントが並んでいました。
消えても、消えても、また出てくる商品。gonさんは「個人クリエイターとしては正直諦めるしかないのかなという印象です」と諦念をにじませました。
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