ふるさと納税の人気自治体が「寄付額1000万円相当」返礼品届けられず 発注漏れ発覚→“商品代値上げ”で出荷不可に(1/2 ページ)
発注漏れが発覚したのは1カ月後でした。
ふるさと納税の人気自治体として知られる北海道中札内(なかさつない)村が、事業者への発注ミスにより寄付額約1000万円相当の返礼品を寄付者に届けられなくなっていたことが、ねとらぼ編集部の取材などで分かりました。
「村」では全国3位の受け入れ額
中札内村は北海道・十勝地方にある自治体。「生キャラメル」が看板商品の花畑牧場や北海道銘菓「マルセイバターサンド」が有名な六花亭の工場・観光施設が立地するなど、人気の観光スポットがあることで知られます。
ふるさと納税でも人気を集め、総務省のデータによると2022年度の寄付金受け入れ額は、村としては高知県芸西村、沖縄県恩納村に次ぐ全国3位の多さでした。ふるさと納税サイト「ふるさとチョイス」の同村の返礼品の人気ランキングでは、六花亭や花畑牧場のお菓子が人気上位を占めています。
しかし、同村への取材などによると、返礼品の一つである「豚肉スライス4kg盛り」について、同村が事業者に対し9月19日に発注した分のうち、869件の発注が漏れていたことが10月20日時点で発覚。同品は9月末頃に原料の価格高騰等の影響で商品代が値上がりしていたため、従前の商品代金では出荷できないことになったといいます。
同村は「様々な可能性を協議いたしましたが、ふるさと納税のルールである寄附額の3割以下の商品代金で返礼品をお届けすることはできないという結論に至った」とし、寄付額換算で合計1042万8000円相当(1件あたり1万2000円)、商品代金にして約280万円分の返礼を断念。寄付者には個別に連絡し、キャンセルか別の返礼品への変更をお願いしているということです。
村は「皆様のご厚意に対してこのような結果となりましたことを深くお詫び申し上げます」と謝罪。今後は「発注時の件数確認、複数人でのチェック体制を徹底し、今回のようなミスが発生しないよう取り組んでまいります」と再発防止策を伝えています。
【2023年11月29日修正】届けられなかった返礼品の金額に関する記述について、一部表現を訂正いたしました。
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