「いつやるか? 今でしょ!」のフレーズで一世を風靡した予備校講師でタレントの林修さんは、自身が「年収890万〜920万ないと社会のお荷物」という見解を持っているとする虚偽事実が多数投稿されているとして、法的処置を取ると公式ブログで明らかにしました。
林さんによると、該当発言をしたのは2019年1月6日に放送された「林先生が驚く初耳学!」(MBS)の番組内で、「高学歴ニート」とされる人々に“講義”をしたときのこと。日本社会での税金でまかなわれる社会的費用の高さをあらためて認識してもらい、可能ならば彼らのような能力の高い人にも自発的に負担してもらえないかと考え、ブロガーで著作家の山本一郎さんの「年収890万〜920万ないと社会のお荷物なのか」という記事を本人の許可(※)を得たうえで引用したといいます。
※著作権法では、「出所の明示」などの条件を満たせば、正当な範囲内で自分の著作物に他人の著作物を無許諾で引用して利用できます(参考:文化庁)
「これは、ある人の試算ですけれども、年収で890万から920万ないと足りないと、きつい言葉で、社会のお荷物だって書いている人もいるんですよ。これは、子どもがいるかいないかとか、いろんなことで変わってくる額です。
たぶん独身の皆さんはもう少し下がるとは思いますが、我々は、非常に社会的なコストがかかる暮らしを、当たり前のものとして享受することになってしまっているので、今のシステムを維持するのは大変なんですよ。
満員電車で運ばれてブーブー言いながら働いて、それで給与明細見て、うわ、また引かれてる、なんでって、辛い思いしながらも頑張って働いている人たちが、この社会を支えている部分って結構大きいんですよ」(番組内での林修さんの発言)
林さんはこの場面で伝えたかったのは、「われわれは社会的コストのかかる暮らしを送っている」ことだけであり、具体的な年収については社会的コストがかかることを示すための単なる修飾表現に過ぎないとしています。加えて、「はっきり言いますが、僕自身は、『年収890万〜920万ない』人が、『社会のお荷物』であるとはこれっぽっちも考えていません。そんなことを、テレビを通して発言することなどあり得ません」と断言しました。
実際、番組放送時には林さんのもとにはクレームは一切届かなかったものの、数日後に一部発言のみを切り取った画像が出回り、それを見た人々にバッシングを受けるようになったといいます。その後、同様の画像をSNS上に投稿し、さまざまな誹謗や中傷をする人々が後を絶たないということです。さらに、放送から4年が経った現在では、林さんが差別的な発言をしたように意図的に編集した画像や、林さんを差別主義者として扱う投稿も見られる、と訴えています。
林さんはあらためて、「繰り返しますが、『年収890万〜920万ないと社会のお荷物』という見解は私の見解ではありません。それにも関わらず、あたかも私の見解であるかのような虚偽事実を投稿することは、私の名誉を侵害するものです」と批判。すでに所属事務所とも相談のうえ、名誉毀損として警察に何度も相談していると明かしました。加えて、弁護士にも相談し、訴訟の準備を進めているということです。
林さんは最後に「私のように、多少は知られている人間が行動を起こすことによって、軽い気持ちで人を傷つけるようなことが少しでも減れば、という思いもあって今回の決断に至りました。確かにSNSは便利です。しかし、使い方を誤れば鋭利な凶器にもなることを再認識していただきたく、今回のご報告となりました。ご理解たまわりますよう、よろしくお願いします」と、SNSの利用に関して注意を呼びかけました。
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三度見くらいしてしまいそう。