新学期につい一喜一憂してしまうクラス替え。そんなクラス替えは、どのように行われているのでしょうか。義務教育にあたる小中学校で、学年主任・教頭・校長などを担当した経験のある先生4人(※)に聞きました。
※内訳は学年主任経験者1人、教頭経験者1人、校長経験者2人。また、地域は東日本から2人、西日本から2人
学力、人間関係、教員との相性……さまざまな観点から総合的に判断
まず、小中学校いずれの場合も、クラス替えは基本的に教員が行います。その際、児童・生徒の人間関係やクラス間での学力のつり合い、教員との相性なども議論して決めていきます。
人間関係については、異なる学校間でもしばしば引き継ぎを行います。子どもたちの仲の良しあしの他、幼稚園や小学校で起こったいじめなどは次の学校でも把握しておき、ときには保護者同士のトラブルについても確認するそうです。
学力に関しては、小中学校ともにクラス間で差が出にくいよう考慮されます。私立校では例外もありますが、公立校では基本的に均等になるよう配慮されます。特に、中学校の場合、高校受験が絡むことからこの傾向がより顕著です。例えば、まず学力でクラスを分け、その後人間関係を考慮して微調整する、といった場合もあるそうです。
また、合唱コンクールが行われる中学校では、学力だけでなくピアノの伴奏ができる生徒も偏らないようにするといった配慮が行われることもあります。
教員との相性という面では、人間的な相性のほか、特に配慮が必要となる児童・生徒を新人の担当にしないなどの対応が行われます。このようにして、子どもたちの学習・生活環境が整えられていくのです。
なお、クラス替えの行い方は学校によっても異なります。この記事で紹介した方法は一般的な内容ではありますが、他の基準が設けられている場合もあるとのことです。
新学年になるとドキドキしてしまうクラス替え。その裏には、さまざまな配慮があったのですね。
文:近藤仁美(こんどう・ひとみ)
クイズ作家。国際クイズ連盟日本支部長。テレビ番組「高校生クイズ」「クイズ!あなたは小学5年生より賢いの?」等の他、クイズの世界大会では日本人初の問題作成者を務める。2023年「Trivia Hall of Fame(トリビアの殿堂)」殿堂入り。著書に『人に話したくなるほど面白い! 教養になる超雑学』(永岡書店)など。
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