通信制高校の生徒、約3割が“進路未決定のまま卒業” 「18歳で未来を諦めさせない」社会的自立を応援するプロジェクトが支援募集中(1/3 ページ)
不登校やグレーゾーンの生徒でも働ける社会を目指す。
NPO法人「キャリアbase」がクラウドファンディングサイト「READYFOR」で、「通信制高校に通っている困難を抱えた高校生向け」のキャリア教育・個別就労支援を届けるための資金を募っています。
「就職」は高校生にとって身近な選択肢の1つ
文部科学省が実施している「学校基本調査」の結果、2023年度の時点で通信制高校に通う生徒は日本全国に約26万人いることが分かっています。また、全日制および定時制の高校を2023年3月に卒業した人の内、約14%が就職しており、現代においても「就職」は高校生にとって身近な選択肢の1つです。令和5年度、高校生の新卒採用における求人倍率は3.52倍となっており、大卒求人倍率の1.71倍と比較しても恵まれた環境であると言えますが、その一方で、通信制高校の卒業生は3割にあたる2万4000人以上が“進路未決定”の状態で卒業していくとしています。
この背景には、学校内におけるキャリア教育や支援体制の不足、生徒自身の活動量の問題、受け入れる企業側の理解の不足など、さまざまな理由が考えられます。
加えて、通信制高校の生徒は「学校に通う」機会が少なく、居住地も各地に点在しているため、学校や友達との関係性が強くならずに卒業するというケースも。そのような状況下で進路が決まらないまま卒業することは、その後の社会的な孤立をさらに深めてしまう要因にもなっています。
生徒が主体的に考えられるようサポート
プロジェクト実行者である「キャリアbase」は、通信制高校に通う高校生を中心に「個別就労支援・居場所支援・キャリア教育」を行っているNPO団体。発達障がいやグレーゾーン、不登校など何かしらのハンディキャップを抱えていたり、家庭の事情で思うように将来を描けていなかったりする生徒が、主体的に考え、未来に向けて一歩踏み出せるよう支援してきました。
同団体のキャリアコンサルタントと個別に進路相談できる場や、千葉県柏市に開設した「ふらっぽ北柏」を幅広い相談ができる居場所として提供。各学校およびクラスの特性に合わせた授業を展開するキャリア教育では、就職や進路を考える上で“今、知っておいてほしいこと”をタイムリーに伝えられるようなプログラムを設計しています。
支援活動における面談では、生徒自身が自分を理解することや、強み・長所の言語化、時には、“自分は何ができて、何ができないのか”といったことの明確化も行い、担当教員と面談の内容や把握できた客観的な問題を共有。それらを踏まえて、生徒が自分らしく働ける企業を同団体のネットワークからピックアップし、並行して企業側へのフォローを実施します。
100人の高校生に届けたい
個別伴走型のキャリア支援では、1人の生徒の進路・就労先決定に至るまでに平均5回以上、多い時は10回以上の面談を重ね、先生・生徒・企業と密にコミュニケーションを取りながら進めていく必要があります。この活動を継続していくためには、生徒一人当たり約10万円程度の資金が必要となり、目標金額を1000万円に設定。合計で100人の高校生を支援し、「通信制高校に通う、困難を抱える高校生に向けたキャリア教育・個別就労支援」を届けるための体制作りを進めるとしています。
支援のコースは3000円〜300万円まで17種類。高校生向けキャリア教育ガイダンスへの招待や、フットサル日本代表である倉持杏子選手のフットサル特別教室、キャリア教育の共同企画&アンバサダー就任などのリターンが用意されています。
募集期間は5月29日午後11時まで。目標金額を達成した場合にのみ、実行者が支援金を受け取れるAll-or-Nothing方式のプロジェクトです。
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