「お前、何ガメ? ここ神奈川ぞ?」 沖縄県の希少生物を神奈川県の川で発見……ありえない遭遇に「こんなん悲しいな」「保護されて良かったです」(1/2 ページ)
ここにいていい生き物ではないそうです。
沖縄・八重山諸島に分布しているカメを神奈川県の川で見つけたという体験が、YouTubeで紹介されています。動画は記事執筆時点で36万視聴を突破、5400件を超える“高評価”が寄せられています。
生物採集系YouTuber、神奈川県の川をガサガサ
投稿したのはYouTubeチャンネル「マーシーの獲ったり狩ったり」で琵琶湖(滋賀県)を中心に生態系保全のための活動を発信している生物採集系YouTuberのマーシーさん。この日は神奈川にある川でガサガサ(川の中の草や生き物を採集すること)をしています。
見つけたのは水流に逆らって泳ぐアオダイショウ(神奈川県在来種)やニホンイシガメ(日本固有種)など。瀕死(ひんし)のドイツ鯉(外来種)やクサガメ(東日本外来種)は捕獲して持ち帰ります。
希少なカメを発見
しばらくガサガサを続けていると、石の影にカメの姿を見つけます。「何ガメ?」と言いながらすくい上げるとミナミイシガメ(外来種)のよう。こんな所にいるはずがないカメなので「ここ神奈川ぞ?」とつぶやきます。
ミナミイシガメにしては甲羅の色合いが薄いので、ヤエヤマイシガメ(国内外来種/分布は沖縄県)の可能性も。水の中に戻して顔を出してもらい、確認することにします。
出てきた顔を確認すると、やはりヤエヤマイシガメのようでした。ミナミイシガメにしろ、ヤエヤマイシガメにしろ、ここにいていい生き物ではないので捕獲します。
ごみ拾いとガサガサを終えて、荷物がある場所に戻りました。マーシーさんは今回、都内で開催された生き物イベントの帰り道とのこと。ちょうどミナミイシガメを持ってきていたのでヤエヤマイシガメと見比べてみます。
両者の違いの1つは甲羅の色。ミナミイシガメの方が濃いめの茶色をしています。もう1つの違いは顔の模様。ミナミイシガメは目の横に黄色い線がありますが、ヤエヤマイシガメには線がありません。
滋賀に帰宅して改めて考える
滋賀に帰宅して改めて見て行きます。ヤエヤマイシガメは名前の通り八重山諸島に分布するカメ(正確には石垣島、西表島、与那国島に自然分布)。在来分布している地域では自然保護条例により捕獲禁止になっていますが、外来分布している地域では捕獲禁止ではありません。
今回行った場所は神奈川県の街中に近い川で、かなり整備された所。「飼育放棄された個体がいることが多いのでは?」と思って向かったところ、案の定出会ってしまったそうです。
ヤエヤマイシガメは暖かい地域に生息している生き物で本州の冬を超えるのは難しいことから、飼育放棄されて間もない個体だと考えられます。
マーシーさんは複数の水槽で生き物を飼育しているので、新入りヤエヤマイシガメの住処を考えます。新入りちゃんはメスなので性格が荒いオスばかりの水槽は避けることに。温和な子が多い水槽で様子を見ることにします。
今回はマーシーさんに見つけてもらえましたが、神奈川県に沖縄のカメがいるのはとんでもないこと。「飼育している生き物を野外に逃がすことは絶対にないように」と話します。
コメント欄には「ヤエヤマイシガメちゃんが保護されて良かったです」「神奈川に居てはダメだけどマーシーさんに捕獲されたのは幸運な事かもな」といった書き込みの他、「アオダイショウかわいい」という声もたくさん寄せられています。
マーシーさんは、他にもたくさんの生き物を飼育して情報を発信しています。別の日の投稿では、ペットを飼うための別荘を購入したり、池の水を抜いたり、活動の様子を見ることができます。
画像提供:YouTubeチャンネル「マーシーの獲ったり狩ったり」
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