「きのこの山」の現地版だった
「海外では『きのこの山』を『Chocorooms』という名称でも展開しております。CHOCOROOMSはチョコ(CHOCO)と、きのこ=マッシュルーム(MUSHROOM)を掛け合わせた名前です。日本名称のまま『きのこの山』で販売されているところも多くありますが、親しんでいただけるようアメリカを主軸に『Chocorooms(チョコルームス)』の名称でも販売しています」
そう、商品の正体はきのこの山の海外バージョン「Chocorooms」だったのです。日本できのこの山が発売されたのは1975年ですが、米国で発売されたのは32年後の2007年。現在は東アジア・東南アジア・欧州でも販売されているとのことです。
商品の生産は日本とシンガポールで行っており、中身については「生産国によって多少の違いはある」ものの、「どちらもチョコレートとクラッカーの絶妙なバランスでとまらないおいしさを楽しめる商品となっています」と担当者。現在は販路も拡大するなど、人気は好調に推移しているといいます。
ちなみに、Chocoroomsの隣に映っていたのは、パンダが描かれた「ハローパンダ」というお菓子。ビスケットにチョコが入っているチョコスナックで、担当者によると「海外で一番人気の明治ブランドのお菓子」とのことです。日本ではなじみの薄い商品ですが、1987年に「こんにちはパンダ」という商品名で販売されたこともありました。
なぜ「たけのこの里」の現地版はないのか
しかし、ここである疑問が浮かびます。「きのこの山」を紹介するならば、横に並んでいるべきは本来「たけのこの里」なのではないか――。日本では常に2つのお菓子がセットで取り上げられるため、「相方」がいないことに違和感を覚える人も多いかもしれません。
担当者によると、実はたけのこの里も「Chococones」(チョコと円錐=コーンを組み合わせた造語)という名称で、Chocorooms(きのこの山)同様アメリカで販売されていました。
しかし、商品は2016年に終売となっています。その理由は「(現地では)たけのこ自体になじみがなく、Chocoroomsの人気のほうが高かった」(担当者)から。日本では当たり前のように食べるたけのこですが、北米などではたけのこを食べる文化が日本ほど発展していないことが、商品コンセプトの理解しやすさに影響を与えたのかもしれません。
明治は日本で「きのこの山」「たけのこの里」のどちらが好きかを決める人気投票を過去3回(2001年、2018年、2019年)実施し、これまで「たけのこ」の2勝、「きのこ」の1勝となっています。日本では「たけのこ」優勢の歴史がある中、アメリカで正反対の評価となったのは、なんとも興味深いですね。
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