「天気の子」登場の新宿“壁画”が何者かにより黒塗りで「不快感」「失望しかない」の声 作者「今の新宿の治安を表している」(1/2 ページ)
虹の下のウサギとネコとキリンが……。
新宿大ガード付近の歩道壁面が黒く塗りつぶされているとの報告が、21日までに寄せられている。映画「天気の子」にも登場し、長く愛されていた壁画の変わり果てた姿にショックを受ける人も多く、「不快感」や「治安に対する失望」の声があがっている。いったい何があったのか?
「天気の子」にも登場した新宿大ガード下の壁画に落書き
壁画は新宿駅の北側、新宿大ガード西交差点を過ぎて新大久保駅に向かう線路沿いの壁に描かれていた。ぐねぐねと曲がる虹の下に、ウサギやネコやキリンが花畑で遊んでいる、色とりどりでかわいらしいデザインだ。それが今は見る影もない。
壁画を描いたのは当時大学生だったなべじる(@Girunabe)さん。2011年9月、新宿警察署や新宿区などの依頼で落書き防止活動の一環として大学経由で依頼があった。制作期間はデザインから色塗りまでおよそ3日間で、専門学校生らと共同で20枚の壁画が制作された。なべじるさんはその中の1つを担当した。
なべじるさんは用意された下絵を元に塗るだけの手伝いとして参加したが、現地に到着すると「どうにかしてほしい」と無茶振りされ、時間も人手も無かったので簡単に描けるうえできるだけ楽しい気持ちになるようにと件の壁画をデザインしたという。その後、なべじるさんの下絵を元に、小学生らと協力して色が塗られていった。
当初は3年の期間掲出される予定だったが、気が付けば壁画の展示は13年に及んでいた。今ではおなじみのウサギとネコとキリンとして道行く人々に愛され、映画「天気の子」でも舞台となった新宿の風景として作中に描かれていた。
そんな壁画の異常が21日までに報告された。ウサギとネコを覆うように黒い文字のようなもので上書きされていた。変わり果てた姿にネットでは「迷惑でしかない」「殴られたような衝撃を受けました」「悲しすぎる」「汚物掛けられてる感じの不快感がする」「復元してほしい」と一様にショックを受けた様子。また、グラフティアートの暗黙のルールについて触れ、「これはアートだという言い訳は通用しない」とのコメントも。
作者のなべじるさんはねとらぼの取材に「悲しい気持ちより、よくもまあ13年間も落書きされずに今まで残ってくれたと思いました。今の新宿の治安を表している指標なのかと思いました、早く治安が良くなる事を願います」とコメントを寄せている。なべじるさんは現在、絵を描く事はほぼ無いとのことだが、11月に開催されるデザインフェスタに出展する予定とのこと。
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