台風10号は西日本・東日本を縦断のおそれ。進む速度が遅く、同じようなところで長時間にわたって雨が降り続く可能性があります。西日本から東日本の太平洋側を中心に、記録的雨量となるおそれがあり、特に九州地方の多いところで28日(水)0時から29日(木)24時までの48時間雨量が600mm(日本気象協会独自の「JWA統合気象予測」)を超えると予測しています。
台風10号 西日本・東日本を縦断するおそれ
強い台風10号は今後、さらに発達して、28日(水)には非常に強い勢力となり、奄美に接近するでしょう。29日(木)以降、暴風域を伴ったまま、西日本に接近し、その後、西日本・東日本を縦断するおそれがあります。
九州の多いところで600mmを超える雨量のおそれ
日本気象協会独自の「JWA統合気象予測」では、28日(水)0時から29日(木)24時までの48時間雨量が九州地方の多いところで600mmを超えると予測しました。
予想される雨量となった場合、これまでに観測された雨量の最大値との比(既往最大比)が150%を上回る可能性があります。日本気象協会と静岡大学牛山素行教授との共同研究の結果によると、既往最大比が100%になると犠牲者が発生しはじめ、150%を超えると犠牲者の発生数が急増する可能性があることがわかっており、災害発生危険度が極めて高いことから厳重な警戒が必要です。
西日本や東日本の太平洋側中心に広く大雨か
西日本から東日本にかけての太平洋側には台風に伴う暖かく湿った空気が流れ込む予想で、28日(水)から雨が降り続く予想です。大雨が長く続くことにより、河川の氾濫や土砂災害に厳重な警戒が必要です。九州地方では、28日(水)から29日(木)にかけて、四国地方から東海地方では29日(木)から31日(土)にかけて大雨となることが予想されています。
今回の台風の特徴は、進む速度がゆっくりであることです。そのため、同じようなところで長時間にわたって雨が降り続くことが予想されています。台風が西日本から東日本にかけて縦断するような進路となった場合、九州東部や四国南部、近畿南部や東海地方といった普段から雨量が多いところであっても、これまでの観測最大値を上回るような記録的雨量となるおそれがあります。西日本から東日本の太平洋側を中心に、大河川も含めた多くの河川での氾濫、広域での土砂災害の多発に警戒が必要です。
台風接近時には大雨に加えて、暴風も吹き荒れ、避難が困難になるおそれもあります。自治体からだされる避難情報にも注意し、早めの行動を心掛けてください。
なお、台風の進路予報にはまだ幅があります。台風の進路によっては雨量の予測が大きく変化する可能性がありますので、最新の気象情報・台風情報を確認してください。
いつ避難する?
土砂災害や川の増水などの災害は、急に発生して、一気に被害が広がるため、避難が遅れると、命にかかわります。
そこで、避難のタイミングが重要です。警戒レベル3の場合、高齢者や障害のある方などは、安全な所へ避難しましょう。警戒レベル4では、対象地域の方は、全員速やかに避難してください。警戒レベル5では、すでに安全な避難ができず、命が危険な状況です。このため、警戒レベル5緊急安全確保の発令を待ってはいけません。警戒レベル4までに、必ず避難してください。
天気が荒れてしまうと、道路状況が悪くなったり、暴風で物が飛んできたりするなど、避難の際の危険度が高まります。避難指示が出されていなくても、少しでも危険を感じたら、自ら避難しましょう。不安を感じたら、その時が避難のタイミングです。「自主的に、早めに、安全な所へ避難する」という防災意識をもって、避難する際は、近所の方々にも声をかけ、複数で行動してください。
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