東京ディズニーランドの新プロジェクションショー「Reach for the Stars」スタート シンデレラ城に「トイ・ストーリー」やマーベルのキャラが輝く(2/3 ページ)
余談:「Reach for the Stars」で思い出す“偽”ウォルト名言
ここからは余談ですが、今回のショーで使われているテーマ曲「Reach for the Stars」には、象徴的な歌詞がつづられています。サビの部分では「If you can dream it, You can do it」(夢みることができれば、それはかなう)という言葉が使われていました。
少しディズニーを知っている人であれば、この言葉を聞いたら「ウォルトの名言だ!」と思うかもしれません。実はそれ、大変有名な“ウォルトの偽名言”だったりします。それも、公式が間違えてしまうレベルの……
it can be created.,東京ディズニーランド、ワールドバザールにも入口に同様の「If it can be imagined, it can be created.」という言葉が提示されている
実はこの“名言”、ウォルトが発した言葉ではないというのが現在のディズニーの見解です。ウォルト・ディズニー社の一部門であるアニメーション・リサーチ・ライブラリーは、これは明確にウォルトの発言ではないとしており、ディズニーとしての初出は、フロリダ ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートにかつて存在したアトラクション「ホライゾンズ」(1983年オープン)の出口に使われたメッセージ「If we can dream it, we can do it.」だとしています。1983年のものですので、既にウォルトは亡くなったあと。つまり、このフレーズは(会社、概念としての)ディズニーによるものではありますが、ウォルトの言葉ではないということなのです。
ただし……この言葉はそれよりも以前、多くの人が名言として発していたという記録もあり、諸説入り乱れているというのが現状です(エンツォ・フェラーリのものであるという意見も)。
個人的には、ディズニーとしてのオリジナルである「If “we” can dream it……」というバージョンが最もふさわしいと思っています。1人だけでなく、みんなで夢をかなえていくというのはとても“ウォルト的”。そして今回のショーのテーマである、普通に考えたら絶対に届かない星に向け、手を伸ばすというのは、夢はかなうものではなく、努力をしてかなえるものだというメッセージを感じます。
本ショーは、“ディズニー名言”の一つである「All our dreams can come true, if we have the courage to pursue them.」(全ての夢はかなう。それを追い求める勇気があれば)そのものを体現した、とても素晴らしいショーに仕上がっていたと思います。
ところでこれ、本当にウォルトが言った言葉なのかな……? ディズニー100周年を記念し出版され、確認の取れた“ウォルト名言”だけをまとめた「The Official Walt Disney Quote Book」には掲載されていない模様なので、これもやっぱりウォルトの発言ではなく、ディズニーの誰かによるものっぽいです。
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