JR北海道が列車の窓に隠された秘密を解説する動画を、公式YouTubeチャンネルに投稿しました。豪雪地帯である北海道ならではの理由に、感心させられます。
JR北海道が窓ガラスに隠された秘密を解説
動画を撮影しているのは733系4000番台の列車内。どこにでもある普通の窓に見えますが、近づいて確認すると2重窓になっています。
窓のガラスとポリカーボネートによる二層構造になっており、その間に空気の層が設けられており、JR北海道の特急列車や快速列車でも採用されているそうです。
事故発生に伴いポリカーボネートの採用を決定
窓ガラスが破損して破片が飛び散ってしまわないように、これまでJR北海道では強化ガラスを重ねた「複層ガラス」を採用していました。
しかし、1999年にトンネル走行中の車両の窓ガラスが破損し、乗客がケガをする事故が発生しました。詳細な原因は特定できなかったものの、車両に付いた雪や氷がトンネル内で落下した衝撃で跳ね上げられた石が、車体やトンネルの壁で跳ね返って窓ガラスにぶつかったと推定されました。
同じような状況で車両の破損事例が過去5年間で多発していることも分かり、事態を重く受け止めたJR北海道は窓ガラスの刷新を考えました。
安全性の確保に成功。今後の課題は「景観の良さ」
そこで注目されたのが、ポリカーボネートという素材。衝撃に強く割れにくいという性質を利用して、より安全性の高い窓ガラスになるように、現在の二層構造の窓ガラスが開発されました。
ポリカーボネートには傷がつきやすいなどの欠点もあり、製造メーカーと協力してさまざまな研究が進められており、より良い窓ガラスになるよう試行錯誤を重ねているといいます。
近年は清掃方法の見直しや特殊フィルムの採用なども検討していそうで、JR北海道で最も多くの車両が配置される札幌運転所に洗浄水のミネラル分を除去する水質改善装置を設置するなど、設備の改良も行われているそうです。
画像は公式YouTubeチャンネルより引用
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