昨年11月に宇宙へ出発し、今年3月からは日本人初の国際宇宙ステーション(ISS)の船長を務めた若田光一さんが7月29日、都内で帰国記者会見をし、約半年間にわたる宇宙生活について語った。
閉鎖環境での長期滞在は、ストレスがたまるもの。「疲れたからといって飲みに行くこともできない」。そんな宇宙での生活において、リラックスするためには娯楽の時間も大切だ。会見の中で若田さんは、クラシックやポップ、ロックからジャズまで、自分の好きな音楽を宇宙に持って行って聴いたと話した。また、本も電子書籍を使って読んでいたという。
「ふるさと」で青い地球を実感
特に印象に残った曲は、母校の子供たちが歌ってくれた童謡の「ふるさと」だそう。「暗黒の宇宙に浮かぶ青い地球を見ながら聴くとですね、本当にこのふるさとに生まれてよかったと感じさせてくれます」と若田さんは話す。
また仲間と一緒に食事をする時間も、リラックスできる時間として大切にしていたと若田さんは言う。「クルーが同じ時間に食事を一緒にとることで、その中で絶えない笑いがあってね。笑うっていうことでリラックスできるのかなと思いますね。みんなで一緒に食事をする時間というのは大切にしたいと思って、船長としてそういう時間を作っていました」
若田さんはラーメンやさばのみそ煮といった宇宙日本食の他にも、飛行士がそれぞれの嗜好(しこう)で持ち込める「ボーナス食」として、日本のお菓子や果物を宇宙に持っていったという。「日本食は海外の飛行士にも人気がありまして、日本の食文化は宇宙でも花開いているなということを感じました」
宇宙での仕事の魅力を若田さんはこうまとめた。「宇宙で行う活動が地上の生活を豊かにしたり、人類を物質的にも心も豊かにする。そういう成果につながっていくことで世界に貢献できる仕事ができるということ。それが宇宙の仕事の醍醐味(だいごみ)だと思います」
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