睡眠と疲労を見える化する任天堂の「QOLセンサー」
任天堂が今後手がける健康領域の新たな取り組み。その第1弾は睡眠と疲労を見える化するサービス(ゲーム?)になるようです。
任天堂が、10月30日に開催した決算説明会で、事業領域を拡大するための具体的な方針を説明しましたが、その中で明らかにされたのが、娯楽を“人々の生活の質(Quality of Life)を楽しく向上させる”ということに再定義する、という点です。この生活の質を向上させる取り組みをQOL事業と位置付け、健康に関わる事業を展開する、というのが大きなトピックでした。
その健康関連事業の第1弾として登場するのが、任天堂が「Non-Wearable」と呼ぶ、“身に付けない”センサーにより睡眠と疲労を見える化をするサービスです。一般に「睡眠計」と呼ばれるデバイスはすでに商品化されていますが、「これまで決定的な商品が登場していなかったのは、お客様に何らかの努力を要求する構造になっていて、継続が難しかったからではないか」と任天堂は考えたといいます。
そこで任天堂が考案したのが、この問題を解決する、これまで計測するのに必要だった5つのことを不要にして、睡眠状態と疲労状態を自動計測する「QOLセンサー」です。
不要になったのは、以下の5つ。
- 身に付ける
- 身体に触れる
- 操作する
- 測定を待つ
- 設置する
QOLセンサーは、ベッドや布団の横に置いておくことで、マイクロ波の非接触センサーを用いて、体の動きや呼吸、心拍などを自動計測します。その結果はQOLクラウドサーバに送信して、データを分析し、睡眠状態と疲労状態を見える化します。睡眠状態を把握するために必要な技術は、米国のResMedとの業務提携により供与を受けます。また、疲労状態の認識についても、専門家と推定技術を共同開発中だといいます。
こうして取得したデータを元に、任天堂はQOL改善のためにどんな行動をするといいのかをアドバイスします。ユーザーは、そのアドバイスに従って、運動や食事などを選択。その結果は、またQOLセンサーによって取得され、睡眠や疲労状態の変化や傾向が確認できるというわけです。
誰もが容易に取り組める状態にすることで、毎日を楽しく過ごせ、QOLが向上する、というのがこのプラットフォームの狙いです。
「Wii Fit」「Wii Fit U」や、活動量計の「フィットメーター」なども製品として展開する任天堂が次に打ち出す睡眠と疲労の見える化。どんな名前でどんな製品が登場するのか、今から期待が高まります。
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