フル充電で1週間持つ「UP3」と安価なエントリーモデル「UP MOVE」:“真のウェアラブル”
Jawboneの新製品の日本国内での発売がアナウンスされました。心拍数なども計測できるという「UP3」は2015年1月発売、安価なエントリーモデル「UP MOVE」は12月中旬に発売予定です。
Jawboneが11月26日、アクティビティトラッカー(活動量計)の最新モデル「UP3」と「UP MOVE」の国内発売を発表しました。すでに米国で発表されていた製品ですが、日本市場での展開に合わせて価格などが明らかにされています。
センサーの高性能化で記録の手間が減る「UP3」
最上位モデルとなるUP3は、UPシリーズ第3世代の製品で、価格は2万1800円(税込)。2015年1月に発売を予定しています。カラーはブラックダイヤモンドとシルバークロスの2色。
加速度計に加えて、新たにバイオインピーダンスセンサー、気温計を搭載したのがUP3の大きな特徴です。このバイオインピーダンスセンサーでは、小さな電流を体に流し、返ってくるレスポンスを別のセンサーでキャッチして体の状態を計測することができ、心拍数、電気皮膚反応、呼吸数が取れるとのこと。これにより、これまでボタンでモードを切り替える必要があった睡眠の状態を自動認識できるようになっています。
睡眠の記録は、浅い眠りと深い眠りの判別だけでなく、REM睡眠と浅い眠り、深い眠りの3つの判別が可能になっているのも特徴です。REM睡眠のパターンを認識するために、臨床実験などを繰り返したそうで、体に多数の電極を付けた被験者の様子なども写真で公開していました。
また気温計では周囲の温度と皮膚の温度が計測でき、体の乾きの状態やストレスの状態なども判定可能になっています。
UP3は水深10メートルまで耐えられる防水性能を持ち、腕に付けたまま水泳も可能です。また運動の種類の自動判別が可能になります。走っているのか、自転車に乗っているのか、游いでいるのか、といった状態を認識し、アプリへの記録時にユーザーに確認することで運動を記録します。判定結果は学習するため、使用しているうちに精度が上がっていきます。
これだけ機能が向上しているにもかかわらず、バッテリー動作時間は約7日間と他の製品と比べ非常に長いのが特徴です。毎日充電する必要がないため、充電し忘れたり、腕に付け忘れたりする心配がありません。
Jawbone 国際パートナー 製品開発部門 責任者のヨーゲン・ノルディン氏は発表会で「24時間、週7日身に付けておける、真のウェアラブル」とUP3のできに胸を張っていましたが、実際ここまでのデータが取れてこれだけバッテリーが持つ製品はほとんどなく、注目に値します。
一時期Jawbone UPはよく故障することが話題になったこともありましたが、現在では交換用の部品も潤沢に用意しており、1週間以内には回答し交換品が渡せているそうです。UP24の不良率は、初期のUPに比べれば何十分の1になっており、品質問題は解決しているとのこと。UP3の品質にも自信を示しました。
なおJawboneではAPIを公開しているので、サードパーティのアプリが計測結果にアクセスし、別の価値を提供することも可能です。そのため、「日本のアプリ開発者には、ぜひ日本の市場にあったアプリを作っていただきたい」とノルディン氏は語っていました。
歩数計市場をにらんだ低価格な「UP MOVE」
機能面ではUP3が注目ですが、活動量の記録や睡眠の記録を、より安価に実現するのが「UP MOVE」です。価格は6480円(税込)と、1万円以上するのが一般的な活動量計よりかなり価格を抑えています。安価になった分、バイブレーション機能がないため、眠りが浅いときにユーザーを起こす目覚まし機能はないものの、その他の機能はほぼUP24と同等で、スマートフォンと接続し、活動量や睡眠の記録ができます。発売は12月中旬の予定です。
ボタン電池で約200万歩分の歩数を感知し、約1500回の睡眠データが取れるのも大きな特徴で、TPU製のクリップ型カバーに付けて利用します。ズボンやシャツのポケットに付けて利用するイメージです。別売で腕に巻くカバーもあり、睡眠時などは腕に巻いておくとより精度が高い記録が取れるとのこと。
日本市場は歩数計の市場が大きく、健康意識の高いユーザーも多いことから、低価格な活動量計を投入することですそ野を広げていきたいとの考えも示しました。
どちらも活動量計としては非常にバッテリーが持つ製品で、使い勝手がよさそうなのが特徴です。前モデルのユーザーも、測定機能の自動化などは気になるところです。
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