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通信量上限なし――「使い放題」の格安SIM、現状の“使い勝手”をショートレビュー実際どうなの?

外で動画を観たり、テザリングをたくさん使う人に魅力的な使い放題SIM。どんなプランがあるのか、実際の使い心地はどうなのかまとめてみた。

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 大手通信事業者よりも安くスマホやタブレットが使える――そんなMVNO(仮想移動体通信事業者)の「格安SIM」が話題だ。そして最近、特にヘビーユーザーの間で話題になっているのが「使い放題」をうたう格安SIMカードである。

 通常のSIMカードは「○○円で通信量は○○GBまで」のようなデータ通信量に上限が定められているが、使い放題SIMはいくら使ってもOK。これなら大量のデータをやり取りしたり、ストリーミングサービスを利用したりしても安心して通信できるはずだ。

 話を聞くだけでは欠点のない大変魅力的なサービスに見えるが、「そんなにうまい話が……」という感じでやはり実際の使用感が気になるトコロ。というわけで、今回は通信量無制限のサービスを提供している3社の格安SIMをご紹介する。価格や使用感を比べて自分にあったサービスを検討してほしい。

「b-mobile SIM 高速定額」

 筆者も利用している日本通信の「b-mobile SIM 高速定額」は、月額1980円で使い放題プランが選択できる。また、2780円でMNPによる転入/転出ができる音声通話付きのプランも選択可能。環境により異なるとして公式サイトに明記はされていないが、ドコモのネットワークを利用しているため理論上は下り最大150Mbpsの通信速度が得られる。

 実際の使い勝手だが、空いている時間なら都内でも安定してダウンロードスピードが10Mbps以上(最高で40Mbps近くマークしたことも)、アップロードが4Mbps程度出る。しかし、ネットワークの応答速度を表すPING値が常に500ms以上を示し(理想は2桁台だ)、若干通信の読み込みにもたつきがみられた。また、お昼休みといったピーク時になるとスピードが低下し、100kbps台まで下がってしまう。スピードは出るがまだまだ若干不安定といったところ。

ぷららモバイルLTE

 NTTぷららの「ぷららモバイルLTE」は、月額2980円(税込)で無制限プランが利用できる。ぷららの特徴は最大通信速度を3Mbpsに制限することで比較的安定した通信が可能な点。音声通話プランはないが、150円でSMSオプションが付けられるので、一部SMS認証が必要なアプリやサービスで活用できるのが嬉しい。

 実際の使い勝手だが、3Mbpsに速度が絞られているおかげか常に1Mbps〜2.5Mbpsで非常に安定している印象。PING値も2桁台で読み込みもサクサクしている。しかし、お昼のピーク時は速度が落ちてしまうのはこちらも同じ。価格が若干高めでスピードもそこそこだが、安定性重視のサービスといったところか。

U-mobile LTE使い放題

 U-NEXTの「U-mobile LTE使い放題」は、無制限プランが月額2480円、MNPも可能な音声通話付きが2980円で利用できる。また、非音声通話プランに150円でSMSオプションを追加することも可能。

 U-mobileの使い放題は、サービス提供開始時にあまり速度が出なかったことから、最初に「使えない」という評価が広まってしまった経緯がある。しかし、定期的な設備増強で速度改善が図られており、ダウンロードは3Mbps、アップロードは4Mbps程度で安定している印象。そしてお昼のピーク時に速度が低下するのは言わずもがな。ただ、PING値が2桁台と安定しているため、個人的には「b-mobile SIM 高速定額」よりもページの読み込みといったレスポンスは速いと感じた。


 上記のように、まだまだ全体的に安定してるとは言えない状況だが、「通信量上限なし、使い放題」というのはやはりインパクトがある魅力的なサービスなので、まだまだこれからに期待したい。

 余談だが、ドコモのスマートフォンにドコモ系MVNOのSIMを入れてもテザリングを使用することはできない。テザリングを使用するにはSIMフリーのスマートフォンかモバイルルーターが必要だ。また、MVNOの回線を利用するにあたり、端末の対応周波数により通信速度や快適性が大きく変わってくる。一番良いのはドコモのクアッドバンドに対応したモデルを使うことが理想である。

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