連載

「子どもなし別居希望? それ結婚する意味あるの?」に対する答え、逆風に立ち向かうということ マンガ『合理的な婚活』著者インタビュー(3)

親切な人たちからの、辛辣な言葉。

advertisement
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

 Webコミックサイト「スピネル」で連載中の『合理的な婚活 ~DINKsを本気で目指すおたくの実録婚活漫画~』。11月22日のコミックス発売を記念して、著者である横嶋じゃのめ先生にインタビューしました。漫画本編もあわせて掲載します。

漫画『合理的な婚活』とは?

 「子どもは持たない」「家計は別々」「できれば同居もしたくない」という条件付きでの理想の結婚を目指すべく、マッチングアプリを使ってできるだけ効率的に婚活を進めていこうとする、営業系おたく女のガチ婚活レポ漫画。

著者プロフィール:横嶋じゃのめ

1987年生まれ。雑誌の広告営業をしながら趣味の同人漫画を描いている。三度の飯よりBLが好き。

横嶋じゃのめ先生インタビュー(3)

前回からの続き)

advertisement

――「子どもなし別居が希望」という条件で婚活を始めてみて、いかがでしたか?

 思ったより逆風が強かったです。「それは結婚とは呼ばない」みたいなことを、わりと味方から言われることが多くて。

――味方というのは?

 つまり、私を攻撃するつもりのない普段の知り合いから。婚活していて、こんな条件で相手を探してるんですって話すと、「待って待って、それって結婚する意味あるの?」とか、「そんなの絶対長続きしないよ」とか。善意で言ってくれる人が多いんですけど。

 だから今回の話(第3話)の中では、なぜこういう条件で探すに至ったのかを描きました。

advertisement

――現実では、漫画の中で描かれたようなことを皆に説明するのは大変だと思うのですが、そういうときはどうしているのでしょう?

 もちろん言える相手にはちゃんと説明しますけど、そうじゃない場合には、心の中で「あなたがイメージしているようなパートナーシップじゃ満足できないからこうしているんだよ!」と思ってやり過ごすようにしています。

 それでも、仕事で尊敬していたある人から、「横嶋さん、結婚は修行だよ」と言われたことがあって。まるで結婚していない=修行をしていない私が怠慢かのような。「そんな風に辛抱するために家庭に入る意味ってなんなんだろう?」と感じて、すごくショックでした。

――おそらくはその方も、善意というか一般的なアドバイスのつもりで言われたのでしょうね。

 そうだと思います。自分の価値観がマジョリティ側にある人は、そういう自分の発言が何かのマイノリティを圧迫してることにすごく気付きにくくて。別にそれは本人の怠慢じゃないから何とも言えないんですけど、何か変わった指向で結婚相手を探してたことがある人なら、そういう言い方はしないと思うので。

advertisement

――作中でも、「僕がどんな理由でどんな関係を望もうが自由!」「絶っっ対いけてるパートナー見つけて 最っ高にいい関係築いて 幸せという武器でボッコボコに殴ってやるからな!!!!!」と描かれていますね。

 こういう描き方が賛否両論を呼ぶことは分かっていますが、それによって議論が起こって、同じ条件で婚活をしている人たちへの逆風がちょっとでも少なくなれば、と思って描いています。

 『となりの801ちゃん』(BL:ボーイズラブ趣味を持つ彼女との生活を描いた漫画作品)が流行ったときに、「世の中にはそういう趣味の人がいるんだ」という認知が広まったことが、後の(同じ趣味を持つ)人たちへの逆風をすごく緩和してくれたなって私は勝手に思っています。

 もともと自分はそういう、世の中に対して作品で何か言いたいようなタイプではなかったけど、自分が逆風を受けて初めて、「この後ろに続く人たちがこれ(逆風)を同じ強さで受けるのはきついな」って思ったんです。

――3話にはそのBL趣味の話も出てきます。

advertisement

 私はBL好きをかなりこじらせているので、「女が考えた(男同士の)理想の恋愛」みたいなものに信仰が深まりすぎて。「いやいやリアルの世界でそれを実現するのは無理なのでは」って皆が引いてる中で、「うるせーーーできるんだよ!!!」って言って今婚活をしている状況です。


(4)に続く

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

記事ランキング

  1. 「現場を知らなすぎ」 政府広報が投稿「令和の給食」写真に批判続出…… 識者が指摘した“学校給食の問題点”
  2. 「なぜ今になって……」 TikTokで“15年前”の曲が大流行 すでに解散の人気バンド…… ファン驚き 「戸惑いが隠せない」
  3. ガチ“別人級”……凄腕メイク術駆使したビフォアフが「日本の頂点」と話題、“フォロワー数580万人”の美容系インフルエンサー
  4. 0歳娘がはじめて歩けた瞬間、パパの顔を見て…… 号泣必至の“表情としぐさ”に「やったねえ!すごいねえ!」「かわいくて涙が」
  5. 「二度と酒飲まん」 酔った勢いで通販で購入 → 後日届いた“予想外”の商品に「これ売ってるんだwww」
  6. 『HUNTER×HUNTER』の冨樫義博がXで怒り 立て続く“誤配”で「三度目です」「次はもう知らん」
  7. 「ヒルナンデス!」で道を教えてくれた男性が「丁(てい)字路」と発言 出演者が笑う一幕にネットで批判続出
  8. 死んだはずのスズメバチ、お尻をよく見てみると…… 「亡者の執念発動してますね」「だから怖いんだよな」油断できない生命力におののく声
  9. 伝説のスポーツカーが朽ちている……!? ある田舎の風景を描いた精巧なジオラマに「リアルすぎる」「ホンモノかと」驚きの声
  10. トリミングでシーズーを「ハムスターにしてください」とお願いしたら…… インパクト大の完成形に「可愛いーーー」「なんて愛おしい鼻毛カール」