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» 2017年08月17日 10時00分 UPDATE

社長に「この漫画読んで!」と交渉 “アニメ×伝統工芸”の異色コラボ仕掛け人、夢はまさかの「海賊王」

アニメグッズになぜ「西陣織」? ユニークなコラボグッズを生み出す「プレミコ」担当者に会ってきました。

[たろちん,PR/ねとらぼ]
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 日本の伝統工芸品でアニメグッズを作る――そんな異色のコラボで次々にヒットを飛ばしているのが「プレミコ」というブランドです。

プレミコ西陣織 「ワンピース」と「西陣織」のコラボ財布

 例えば『ONE PIECE』(ワンピース)のルフィとローの財布を京都の伝統工芸「西陣織」で作った商品。ドクロのモチーフや海の荒波などワンピースの要素を散りばめつつも全体が和風のデザインとして調和しており、「高級感があって“いかにもアニメグッズ”って感じがない」と大人世代にも好評になっているそうです。

 こうした「アニメ×伝統工芸」のシリーズを生み出したのが商品企画開発のプログラムディレクターを務める松宮涼さん。企画からデザイン、関係各社との交渉までほとんど1人でこなしてしまう敏腕ですが、この業界に入ったきっかけは「海賊王になりたかった」からだそうです。なんだその理由。

「海賊っていいな」から起こしたアニメ革命

プレミコ西陣織 海賊王になりたかった松宮さん

―― プレミコでは伝統工芸品とアニメがコラボしたユニークなグッズを多数展開しています。その中でもこの「ルフィ&ロー 海賊同盟 西陣織長財布」には思い入れがあるそうですが、そもそもこういう発想はどこから生まれたんでしょう?

松宮:すごい変な話なんですけどいいですか?

―― 大丈夫ですよ。

松宮:まず大学生のときに『ワンピース』を読んで「海賊っていいな」「海賊王になりたい」って思ったんです。それで「私も海に出よう」って思って海外に留学しました。

―― 思った以上に変な話から始まった。

松宮:それでロンドンの芸術大学に留学して、ファッション関係のマーケティングを学びました。卒論が「ニッチマーケットについて」っていうテーマで、日本人として着物とか日本の伝統柄のことをいろいろまとめたのが、伝統工芸品を意識するきっかけでした。

―― なるほど。それが現在の就職につながった?

松宮:いえ、帰国後にコインを扱う会社に就職しまして。コイン業界って古銭だったり何かの記念硬貨だったりいろいろあるんですけど、私は「歴史のコイン」とか「絵画のコイン」とかちょっと固いテーマのものを作ってました。

―― あ、でも「アニメの記念コイン」とかも見たことある気がしますよ。

松宮:当時はそういうのほとんどなかったんです! それまでのコインコレクターって70代以上とか高齢の方が多い世界で、前の会社ではやっぱり「アニメのコインなんて非常識」って雰囲気がありました。で、私がここの会社に来て最初にやったのがまさにそういう「アニメのコイン」を作ることでした。

―― え、そうなんですか。それはどういう経緯で?

松宮:前の会社がクローズすることになって。そことつながりのあった今の会社のインペリアル・エンタープライズ(I・E・I)が「かわいそうだから拾ってやるか」っていう温情のおかげでここに来たんです。でも、I・E・Iではコイン作りのノウハウがあるのが私だけだったんですね。そしたら特に止める人もいないので「じゃあアニメのコイン作っちゃおう!」と1人で勝手に企画を考え始めちゃいました。

―― なんか海賊感が出てきましたね(笑)。

松宮:そしたらそのコインがすごく売れまして。それならもっといろいろな企画を出してみようかとアニメのコインとか時計とかもどんどん作るようになって、それがまたすごい人気だったので「じゃあもうブランドにしちゃおう」ということで新しく「プレミコ」が立ち上がることになりました。もともと芸術作品とか高級時計とか仏像とかわりと大人向けの商品を販売する会社だったんですけど(笑)。

―― オタクがたった1人で会社に革命起こしてる!

プレミコ西陣織 会社の中では「プレミコ」だけ異色

「2000年後の博物館に展示される」ようなグッズが作りたい

―― そんな海賊王の松宮さんが企画したのが「ルフィ&ロー 海賊同盟 西陣織長財布」だそうですが、「西陣織」に目を付けたのはどうしてでしょう?

松宮:もともと西陣織は、貴族や武士ら上流階級の装束等に使われてきた高級素材なんですが、日本を代表するアニメ『ONE PIECE』とコラボをすることによって、ハードルが高いと思われている「西陣織」の良さや特徴を、若い人をはじめたくさんの方に広めたいと思って開発しました。日本の伝統工芸って渋いものも多いですが、京都のものってとても華やかで。なかでも西陣織はすごく彩りが豊かなのが特徴です。

プレミコ西陣織

―― あ、確かに伝統工芸品ってもっと地味なイメージだったかも。西陣織は明るい感じがしますね。

松宮:そうなんです。「アニメの雰囲気を表現できる織物といったらこれだ!」と思ったのも選定理由のひとつです。職人さんと何度もやりとりして生地を調整したので企画から1年くらいかかってるんですよ。ほら見て! 金糸や銀糸を使っててゴージャスでしょう!

プレミコ西陣織 生地は何度もサンプルを作っては修正する作業の繰り返し

―― 急にテンションが上がった!

松宮:もともと西陣織って応仁の乱で避難していた職工たちが西軍の本陣地で織っていたものから発展していて、すごく丈夫なんです。日本の伝統工芸ってどれもすごく考えて作られているので、ただのお土産ものみたいになってしまうのは悲しいなって。だからプレミコの商品はただのコレクターアイテムではなく実用性の高いものにするようにしています。お財布ではさらに縁を牛革で補強してるので普段使いでどんどん使っていただけます。西陣織の美しさや丈夫さを実際手に取って使用して知っていただけるとうれしいです!

―― 好きなものについての饒舌っぷりが完全にオタクのそれだ(笑)。松宮さんは以前から伝統工芸に興味があったんですか?

松宮:いえ、最初はただ普通にアニメとファッションが好きな人間でした。でもロンドンに留学したら、海外って博物館とか美術館がすごく充実してて本物のゴッホとかが無料で見られるんですよ。そういうものに触れているうちに「本物ってすごい、いいな」っていう思いがどんどん強くなっていったんです。

―― 「本物」にしか出せないオーラそのものに惹かれたと。

松宮:だからこのお財布も2000年後に発掘されて博物館に展示されてほしい、っていう気持ちで作ってます!

―― 2000年後に「西陣織の作品」としてワンピースの財布が展示される光景はシュールですね(笑)。

松宮:まあそれは私の個人的な願望ですけど(笑)、ファンの方もせっかく買った商品の質がいまいちだったらがっかりするじゃないですか。特にプレミコは通販がメインなので「広告の写真より本物のほうがもっとよかった」ってなるくらいじゃないとダメだと思うんです。ロンドンの学校で教えられたのが「お金とか会社のことは無視してお客さんのことだけを考えろ」ってことで、例え利益が減ってもクオリティは妥協しないように作ってます。

社長に「漫画を布教」する作品愛

―― めっちゃいい話なんですが、普通の会社だと「そんなに予算かけるな、利益を出せ」って話になりません? どうやって社内のえらい人とか説得するんですか?

松宮:そうですね……。まず私は好きな漫画があると会社で全巻を購入してもらって、役職者全員に読んでもらうようにしてます。

―― とんでもないことしてた。

松宮:それで「あのシーン読みました?」「ちゃんと感想教えてください」「どのキャラが好きですか?」って聞くんです。それを読むまで言い続けてたら、今では何も言わなくても社長と部長が「あれどこまで読んだ?」とか自主的に話し合ったりするようになりました。

プレミコ西陣織 社内にある資料室。こっそり松宮さんが持ってきた漫画なども置かれている

―― オタクがよくやる布教活動を会社で全力でやってる。えらい人たちっておいくつくらいなんですか?

松宮:ヒミツです(笑)。けど布教のおかげか感性は若い人が多いと思いますよ。そんな感じで作品のよさを広めて、あとは企画会議で作品への愛をぶつけると。

―― どういう会議なんですか、それ?

松宮:うーん、「ルフィはこういう海賊だからこういうお財布を作ります!」とか普通に説明してるだけだと思いますけど……。最終的には私が「うるせェ! 作ろう!」って言って役職者たちが「おお!」って言って仲間になるみたいな(笑)。

―― 大丈夫ですかこの会社(笑)。ワンピース以外にもいろいろなアニメとコラボしていますが、今までボツになった企画とかはあるんですか?

松宮:どの作品についてもリサーチや勉強をしますし、私があまり詳しくなかったアニメでも作品をちゃんと見てからデザインを考えていい商品ができたこともありました。でも、「これだと失敗するかも」と思った企画を無理やりやったことはないですね。

―― でも大人の世界ってそういうしがらみから逃れられないのが普通じゃないですか。会社でそんなことが許されるんですか……!

松宮:でも売れる商品を作っても売れない商品を作ってもそれに関わる会社の人の労力って一緒じゃないですか。だったら最初の企画段階で「いいものになる」って思えるものじゃなきゃ先に進めてもみんなが不幸になるだけかなって。

―― 真理すぎて何も言い返せない……。

松宮:「ルフィ&ロー」のお財布もすごく試行錯誤して作ってるんですよ。コンセプトはどちらも作中の新エピソードの舞台「ワノ国」をイメージしてるんですが、ルフィの場合は新世界の荒波を勇ましく航海しているイメージで「荒磯文様」を使用しています。黒をベースにしたデザインは海賊旗をイメージしました。

―― なるほどー。ローの場合はまた違うんですか?

松宮:ローはノースブルー出身と思われる描写があって西洋の雰囲気があるんです。だから西洋から日本に渡来した蔦模様(唐草模様)をベースにデザインを考えました。漆黒をベースにした色合いはローのコートの色とおそろいにしていて、伝統柄である花蔦(はなつた)七宝文とローが率いる“ハートの海賊団”の海賊旗を銀糸で織りあげた生地に、装飾の銀色のハートのタトゥーがワンポイントで輝いています。

―― すごく早口で説明された(笑)。ホントにめっちゃ考えられてるんですね。

松宮:そういうことを設定資料を見たり、東映アニメーションさんと細かく話し合ったりしてデザインを決めてます。あと取引先の人にもやっぱり漫画やアニメは最低限チェックしてもらうようにしてますね。

―― え、西陣織の職人さんとかに「ワンピースのどこが好き?」とか聞くんですか?

松宮:まあ、そういう感じです(笑)。ワンピースは有名な作品ですし、結構みなさんノリノリで答えてくれますよ。どちらのモデルも、そうやって本場京都の職人さんが織り上げた特注の生地をぐるっと一面に使用していて、継ぎ目のない1枚仕立てになってるんです! これはぜいたくですよ、すごくいいんです……。

プレミコ西陣織 昔ながらの⼤きな織り機。本格的です

―― 松宮さんが恍惚の表情に。ほかにこだわったポイントとかは?

松宮:飾りのチャームにもこだわってて。ルフィのお財布にはルフィのイメージカラーの赤の天然石レッドアゲートを使用してるんですけど、これは情熱と絆の石なんです! ローのお財布についているチャームには、 ローのイメージカラーに合わせたオレンジ色の天然石、オレンジアベンチュリンを使用してて、この石は冷静さと癒しをもたらすとされてるんです。2人のキャラクターのイメージにぴったりだと思って。

―― すごく作品を大事にしてグッズを作っているのが伝わってきました。ちなみにこの財布は限定5000個らしいですが、まだ買えるんですか?

松宮:大丈夫です! 実は、京都の伝統工芸品とのコラボが縁で、9月16日、17日に京都で開催される「京まふ2017」にプレミコで出展することが決定しまして。普段、通販でしか購入いただけない「ルフィ&ローの西陣織長財布」も、会場で展示・販売します!

松宮:あと、これはうちとは直接関わりはないんですけど、『ONE PIECE』の大規模コラボイベントとして、「ONE PIECE 20th×KYOTO 京都麦わら道中記〜もうひとつのワノ国〜」がこの秋、10月7日から京都で開催予定と先日発表があったんです。京都×ワンピース、きてるなと。

―― ただのワンピースファンとしての宣伝までありがとうございます(笑)。ちなみに松宮さんの個人的な願望として今後作ってみたいものとかありますか?

松宮:どうでしょう、私もまだまだグランドラインを航海中って感じなので(笑)。ただ、漫画やアニメが好きな人ってグッズに対しても「それは違うでしょ」っていう厳しい目を持ってますから、作る側も愛がないとすぐ見抜かれちゃうんです。だからもっといいグッズを作れるように、私もみなさんに負けないように漫画やアニメをたくさん見て、会社での布教活動を頑張っていきたいです(笑)。


 財布をPRする取材なのに、いきなり「海賊王になりたい」から始まったこのインタビュー。1人の漫画・アニメ好きの愛が社長たちまで巻き込んで作り上げたプレミコの商品は、まさに松宮さんにとっての「ワンピース」なんですね!(ドン)

プレミコ西陣織 豪華な特製ボックスもファンに好評です

 今回取り上げた「ルフィ&ロー 海賊同盟 西陣織長財布」は、そんな松宮さんのワンピース愛が詰め込まれた自信作。西陣織の技術で織りあげられた丈夫な長財布で、ルフィやローのキャラクターと和テイストの力強さがマッチしたデザインは大人の方にも人気になっているそうです。

 「伝統工芸品って何を買えばいいかわからない」「もう大人だしアニメグッズなんて子どもっぽいかも……」と思っていた人はチェックしてみてはいかがでしょう。

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アイティメディア営業企画/制作:ねとらぼ編集部/掲載内容有効期限:2017年8月30日