「冷やし中華にもち追加」「おやつにブドウ糖」 シュールな「将棋めし」文化についてプロ棋士に聞いてみた

将棋界の食事について広瀬章人八段に聞いてきました。

» 2017年10月23日 11時30分 公開
[たろちんPR/ねとらぼ]
PR

 将棋の中継や報道を見ていて、「どうして棋士が食べたものの話でこんなに盛り上がるの?」と不思議に思った人はいないでしょうか。将棋ファンの間では棋士の食事やおやつに注目するユニークな文化があります。

 もともとは新聞の観戦記で対局者の食事内容について書かれたのがきっかけ。「肉を食べたから気合が入っているのかも」など、難しい指し手のことがわからない人でも楽しめるとして好評になりました。必ず「うな重」を食べるなど棋士ごとに個性的な棋風……ならぬ「食風」もあり、今では「将棋めし」は将棋観戦に欠かせないコンテンツになっています。

 ところでそんな休憩時間の食事が妙に注目されていることについて、当のプロ棋士はどう思っているのでしょうか? 漫画『将棋めし』の監修も務める広瀬章人八段に率直なお話を聞いてきました。

将棋めし広瀬ラムネ 今回は将棋電王戦でもおなじみ「森永ラムネ」の提供でお送りします

将棋めし的にもレジェンドな「ひふみん」

―― 今日はご自宅までお邪魔してしまってすみません。私服でこういう場に出られるのは珍しいですね?

将棋めし広瀬ラムネ 今回は私服でラフに語っていただきました

広瀬:そうですね(笑)。将棋のお仕事はスーツや和服のことが多いですから。

―― 対局中の食事も将棋が本業の棋士にとっては「私服」みたいな部分なのかなと思うんですが、そこをファンに注目されるのってどんな気持ちなんですか?

広瀬:自分も不思議ですよ。なんでそんなとこ注目するんだろうって(笑)。ただ将棋に詳しくない人でもそういう部分をきっかけに興味を持ってくれるならいいことなのかなと。

―― 僕も「観る将(観戦がメインの将棋ファン)」なのでそう言っていただけるとホッとします(笑)。

広瀬:藤井聡太くんの活躍で出前の食事などが取り上げられましたが、それ以前はタイトル戦の「おやつ」が注目されていた気がします。おやつは食事休憩と違って盤の前で食べる様子が中継されるので光景としてはシュールですよね。

―― 棋士が和服を着て真面目な顔をしながらかわいいケーキを食べてたり(笑)。食事面で有名な棋士も多いですよね。

広瀬:やっぱり加藤(一二三)先生ですか。「うな重」の連採(連続採用)や板チョコの重ね食いなど、食べものに関する伝説は数えきれないですね。

―― 「うな重」をやめてからも1度の食事で「カキフライ定食」と「チキンカツ定食」を注文して周囲を震撼(しんかん)させてましたね(笑)。

広瀬:昔からケーキを5個くらい食べたりしていてすごかったです。自分より昔の時代はタイトル戦以外の対局でも将棋会館の人が用意したおやつが配られる文化があったそうなんですが、その名残でお腹が空くのかもしれませんね(笑)。

将棋界で行われる「食事の研究合戦」

―― 食事では丸山忠久九段も有名ですね。みろく庵の唐揚げ定食に唐揚げを3個増量する注文方法は「丸山定跡」とまで呼ばれています。

広瀬:最近は冷やし中華に追加するチャーシューの量も3枚、5枚、6枚とどんどん増えていて。丸山先生の新手メーカーぶりは僕も注目しています(笑)。

―― ものすごい健啖家ですよね。以前、味噌ラーメンとカツカレーを同時に注文していたときは驚きました。

広瀬:でも丸山先生って普段の食事だとそんなに食べないんですよ。「対局中は頭をものすごく使うのでお腹が空く」と以前言っていたような気がします。逆に対局中は食が細くなるという人もいますね。

―― 広瀬先生は対局時の食事にこだわりなどはありますか?

広瀬:自分は夕食休憩がある場合は圧倒的に「うな重」のことが多いですね。事前に決めておけば指し手以外のことで悩む必要がないという理由です。昼はみろく庵の定食が多いですかね。

―― そういえば将棋界では今「肉豆腐定食にもち追加」という定跡がブームですよね。

広瀬:佐々木勇気五段が最初に採用した手ですね。誰かが始めると他の棋士たちも追随して似た傾向になるみたいです。

―― え、将棋の手だけじゃなく棋士同士で食事の注文もチェックしてるんですか?(笑)

広瀬:研究対象みたいですね(笑)。最近だと藤井くんの頼んだ「豚キムチうどん」がすごく取り上げられて、棋士たちが次々に注文するようになりました。

―― やっぱり「勝ってる人にあやかろう」みたいなのもちょっとはあるんですかね?

広瀬:そういうのもあると思います。やっぱりアナログな人も多い世界なのでゲン担ぎみたいなのを気にする人は結構いますね。まあ単純に見てたら食べたくなった、とかも多いでしょうが(笑)。

―― 先日は佐藤康光九段が「冷やし中華」にもちを追加していて、「さすが独創的な将棋を指す佐藤先生だな」と思ったんですがあれも研究ですかね?

広瀬:ああ、あれは勘違いだったみたいです。

―― ええっ!?

広瀬:誰かが前に頼んでいたと思いこんで頼んだらうっかり鬼手になってしまったと。「2度とやらない」とおっしゃってました(笑)。

「ブドウ糖90%」のラムネを対局に持っていく

―― 棋士ってものすごく脳を使うから「1日の対局が終わると2キロ痩せていた」、とかって言いますよね。

広瀬:対局後に体重を計ったことはないんですけど、2日制のタイトル戦が終わったあとの自分の写真を見たら「すごい痩せてるな」って思いましたね。あの疲労感は独特です。対局の直後って体は疲れてるんだけど頭はものすごく冴えてるので寝られなかったりして。

―― 対局中の栄養補給についても聞きたいんですが、「ガス欠だ」って感じたりすることはあるんですか?

広瀬:自分はまだそれなりに若いおかげかなんとかなってますが、そういう人もいると思いますね。集中力が切れてきたりすると「糖分が足りてないのかな」とか思ったりします。

―― 対局中に甘いものを食べる棋士って多いんですか?

広瀬:チョコとか飴とかを持ち込んでる人は多いですね。昔は扇子1つでふらりとやってくる先生とかもいましたが、最近は少なくなったと思います。特に若手のほうがそういう「脳への影響」とかを考えて準備に余念がない印象がありますね。

―― ブドウ糖をそのまま食べる棋士もいると聞いたんですが。めちゃくちゃストイックですよね。

広瀬:そのあたりは個性が出ますね。佐々木勇気くんはバナナを食べていたり、佐藤天彦名人はおしゃれにフィナンシェを食べていたり(笑)。実は僕も最近、お菓子のラムネを対局に持って行ってるんですよ。

将棋めし広瀬ラムネ

―― おお! 実際に食べてみていかがでした?

広瀬:普通においしくいただいてます(笑)。指し手に直接影響が出ているかはわかりませんが、気分転換になっていいですね。

―― 漫画の『将棋めし』でも「対局中のおやつはブドウ糖90%のラムネが最善手」っていうエピソードがありましたね。

広瀬:実際に食べてみてわかりましたけど、ラムネはすごくいい手だと思いますよ。溶けるチョコとかよりも食べやすいし、手が汚れたり周りにこぼしたりする心配もない。あと、ブドウ糖をそのまま食べるよりおいしいですし。ラムネを採用する棋士はもっと増えていいんじゃないかと思いました。

―― ラムネを食べた瞬間にいい手がひらめいて「ラムネマジック」みたいなことになれば、「もち追加」のように将棋界の定跡になりますかね?

広瀬:その第一人者になれるようにがんばります(笑)。




 将棋に詳しくなくても楽しめる「将棋めし」。意外と棋士たちもお互いの食事を研究しているというのは驚きでした。将棋ファンの間で話題になっている食事は棋士たちも把握していて、結構自分の注文の参考にしたりすることもあるそうです。

 脳をフル回転させて戦う棋士にとって、食事は重要なエネルギー源。中でも「ブドウ糖」は思考時の適切なエネルギー源だと言われています。「ブドウ糖90%」を含む森永ラムネは思考時にエネルギー補給をしたいときに「この一手」なお菓子です。

将棋めし広瀬ラムネ 広瀬先生ありがとうございました!

 というわけで広瀬八段も愛用している「森永ラムネ」の提供でお送りしました。勉強中の学生さんや仕事中のビジネスマンの間食にもぜひどうぞ!(この記事もラムネを食べながら書きました)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2403/17/news022.jpg 【追記あり】夫に「油買ってきて」と頼んだのに、手ぶらで帰宅した理由はまさかの…… とんでもないオチに「やめてww」「久しぶりに大爆笑」
  2. /nl/articles/2403/18/news022.jpg 1歳息子の“はじめての寝落ち”が140万再生 10歳兄のやさしい行動に「なにこの平和でかわいい世界」「最高に癒やされる」と絶賛の声
  3. /nl/articles/2403/17/news063.jpg 「予言者いた」「先見の明」 大谷翔平選手&真美子さんの結婚を2021年時点で予言(?)している投稿が発掘され話題に
  4. /nl/articles/2403/17/news047.jpg 北海道内の移動距離を本州と比較したら…… 感覚がバグるマップ画像に「これが北海道」「大きすぎる」
  5. /nl/articles/2403/18/news042.jpg 生後1カ月の赤ちゃん「ぼく泣かないもんねっ」 うるうるおめめとへの字口が「はぁ〜たまらん!」「ぐぁぁああああっっ」取り乱すほどかわいい
  6. /nl/articles/2403/15/news126.jpg 「一番イチャイチャしているように見える」 大谷選手が公開した写真でドジャース山本由伸選手の“手つなぎ”?が話題に 「そっちに目が行く」
  7. /nl/articles/2312/29/news019.jpg 「妻の服を勝手に着て脱げなくなったムキムキ夫とデカワンコ」に爆笑の嵐 シュールすぎる状況が500万表示突破
  8. /nl/articles/2403/18/news025.jpg “おしりが5日で変わる”トレーニング! 「明日からやるか」「1日1回だけなら続けられる」と累計3000万再生突破
  9. /nl/articles/2403/18/news056.jpg 大好きなボールを100個プレゼントされたときのワンコの表情に「放心ww」「引いてない?」 直視できない姿がSNSで話題
  10. /nl/articles/2403/18/news064.jpg 赤ちゃんが妙に静かだと思ったら…… 思わぬものへの“真剣モード”に笑顔になる人続出「たれたもちもちほっぺたまらん!」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  2. 昭和時代に“無かった物”が写っている……? 細かすぎて伝わらない「未来から来たことがバレた写真」に6万いいね
  3. 「マジで汚い」「こんなもんです」 辻希美、“大散乱”のリビングと“新”キッチンの差を公開し共感の声集まる
  4. 双子の赤ちゃん、姉が全力でくしゃみして…… 被害にあった妹の反応に「生後3ヶ月でドリフのコントw」「めちゃどっちもカワイイ」と絶賛の声
  5. 「よくも病院に連れてきたな……」とにらむ猫、先生が来た瞬間 驚きの変貌に爆笑の声「これがほんとの猫かぶり」
  6. 急に片耳がたれたワンコ、慌てて病院にいった結果…… 「こんな可愛い診断結果初めて見たよw」「笑っちゃった」と反響
  7. 「何羽いる?」一見普通の“草むら”、よく見ると……? 思わず絶叫まちがいなしの1枚に「どっさりいるw」「まさに迷彩!」
  8. 店員に「この子は懐きませんよ」と言われたチンチラ、家に来て3日後…… 人を信じる姿に「愛が伝わったんですね」
  9. 元SDN48光上せあら、目を離した隙に……子どもが商品を触り“全買取” 「子連れママに厳しすぎないか?」
  10. 柴犬を子どものように育てた結果、人間みたいな行動をするようになった 何気ない幸せな日常に「完全に家族の一員」「全部が愛くるしい」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 釣れたキジハタを1年飼ってみると…… 飼い主も驚きの姿に「もはや、魚じゃない」「もう家族やね」と反響
  2. パーカーをガバッとまくり上げて…… 女性インフルエンサー、台湾でボディーライン晒す 上半身露出で物議 「羞恥心どこに置いてきたん?」
  3. “TikTokはエロの宝庫だ” 女性インフルエンサー、水着姿晒した雑誌表紙に苦言 「なんですか? これ?」
  4. 1歳妹を溺愛する18歳兄、しかし妹のひと言に表情が一変「ちがうなぁ!?」 ママも笑っちゃうオチに「かわいいし天才笑」「何度も見ちゃう」
  5. 8歳兄が0歳赤ちゃんを寝かしつけ→2年後の現在は…… 尊く涙が出そうな光景に「可愛すぎる兄妹」「本当に優しい」
  6. 1人遊びに夢中な0歳赤ちゃん、ママの視線に気付いた瞬間…… 100点満点のリアクションにキュン「かわいすぎて鼻血出そう!」
  7. 67歳マダムの「ユニクロ・緑のヒートテック重ね着術」に「色の合わせ方が神すぎる」と称賛 センス抜群の着こなしが参考になる
  8. “双子モデル”りんか&あんな、成長した姿に驚きの声 近影に「こんなにおっきくなって」「ちょっと見ないうちに」
  9. 犬が同じ場所で2年間、トイレをし続けた結果…… 笑っちゃうほど様変わりした光景が379万表示「そこだけボッ!ってw」
  10. 新幹線で「高級ウイスキー」を注文→“予想外のサイズ”に仰天 「むしろすげえ」「家に飾りたい」

提供:森永製菓株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ねとらぼ編集部/掲載内容有効期限:2017年11月5日