DMM社員の愛が深すぎてまさかのデビュー “他人のネタをこすりまくる”新人VTuber「銀めくる」がだいぶ攻めてる
オンラインくじサイト「DMMスクラッチ」がなぜか全力で生み出してしまったVTuberについて取材しました。
今やインターネット全体で大きなブームとなっているVTuber。そんな多くのVTuberの中でもちょっと変わった経緯で誕生したのが「銀(しろがね)めくる」です。
銀めくるはオンラインくじサイト「DMMスクラッチ」の公式キャラクター。勉強も運動も苦手な天然ドジっ子女子高生です。スクラッチのキャラだから“銀めくる”……というのはわかりやすいのですが、なぜかDMMスクラッチではめくるちゃんの日常を描くだけの特設ページが用意されていたり、Twitterも学校やお菓子の話をしていたりと、いわゆる企業の公式キャラとはちょっと毛色が違うものになっています。
そんなめくるちゃんがDMMスクラッチ1周年の施策でVTuberデビューすることになったのですが、その内容がなかなかの変化球。「ノーバン始球式」にチャレンジしたり、アルミホイルを叩いてオリジナルグッズを作ろうとしたり、明らかにネット文化を意識したその活動は公式キャラというより本気の新人VTuberそのものに見えます。
実はこのめくるちゃん、DMMスクラッチスタッフの熱烈なキャラクター愛から生まれたとのこと。企業キャラの枠を飛び越えた異色のVTuber活動について、生みの親であるDMMスクラッチ 銀めくるブランディングチーム(めくるチーム)に聞いてみました。
かわいすぎてVTuberデビューが決定
―― そもそもなぜ「DMMスクラッチ」でオリジナルのキャラクターを作ることになったんですか?
めくるチーム:DMMスクラッチはオンラインくじのサイトなので、例えば「ほしいものが当たらなかった」とかユーザーさんにフラストレーションが溜まることもあると思うんですね。なのでそれを和ませるようなキャラクターがいるといいかなと思ったのがきっかけです。
最初は動物のキャラクターとかを考えてたんです。ところがスタッフで話してるうちに「女の子がいい」という話になっていって、イラストレーターの夜ノみつき先生にお任せで描いてもらったら……これがめちゃくちゃかわいかったんですよ!
―― 確かにかわいいですね。
めくるチーム:めくるちゃんって「本当にいそうな高校生」っていう感じなんですよ。他のVTuberとかだとキャラクターに個性的な設定があったりしますが、めくるちゃんは本当に普通の女の子。
なんならちょっとコミュニケーションとかも苦手で、悪徳Pに半分騙されて芸能界に引きずり出されて頑張ってる、そういう子なんです。めちゃくちゃかわいくないですか? めくるちゃんは限りなく現実に近い存在なのでVRっていうよりARの方が表現として正しい気がしてます!
―― いきなり熱量がすごい(笑)。
めくるチーム:すいません、そんな感じで我々スタッフの間では恐ろしくかわいいと思いまして。これはもう本格的に育てていきたいとなって、DMMスクラッチ1周年の施策に合わせてVTuber的な活動を始めてもらったという流れです。
―― じゃあ最初からVTuberを作ろうと思っていたんじゃなくて、偶然かわいすぎるキャラができちゃったからデビューさせようと?
めくるチーム:そうですね、あまりにもかわいかったので。
―― 溺愛じゃないですか(笑)。
めくるチーム:めくるちゃんが生まれて早い段階から「これは動かすしかない」と思って3Dデータを準備し始めて、夏にはもうデータができてたんです。これがまたよく動いてめちゃくちゃかわいかったんですよ。いろいろな準備があって今回ようやくデビューさせられたんですが。
“ネタをこする”のがめくるちゃんのスタイル
―― それが11月に公開された「ノーバン始球式」の動画だと。評判はどうでした?
めくるチーム:まずですね、施策に合わせて動画を用意したあとで自己紹介するのを忘れてたことに気付いたんですよ(笑)。普通VTuberって最初に「私はこういうキャラです」っていう自己紹介動画から始まるので、いきなり「ノーバン始球式」って言われて皆さん多少困惑した部分はあったのかなと。
―― 見出しで「ノーパン」に空目しやすい、というネットではあるあるネタですが確かに1個目の動画としてはシュールですね。
めくるチーム:そのあたりには反応してもらえたのでよかったかなと。ちなみに草野球の設定は『木更津キャッツアイ』のパロディになってます。
―― あ、そうなんですね。第2弾の「アルミホイルを叩いて玉を作る」というのもネットでバズっていろんなYouTuberさんとかがやっていたネタですよね。
めくるチーム:そうなんです。スクラッチのめくるちゃんなので「いろいろなネタをこする」っていうのがひとつのテーマになってるんですね。
第2弾の動画はめくるちゃんの手芸部という設定を生かして、アルミホイルから不気味な胸像を作ってしまうというネタでした。実際にDMMスクラッチで公式グッズとして発売したんですが、「アルミホイルだったのになぜかチタン製の像になってる、錬金術師か」とかツッコんでもらえました。
―― めくるちゃん、淡々と活動してるわりにツッコミ待ちのシュールなネタが多いですよね。
めくるチーム:例えばめくるちゃんの「ぱんぱかぱーん!」っていう決めポーズも昔流行った「eggポーズ」をこすってます。他にもいろいろ細かいネタを仕込んでるんですが、僕らもどれくらい伝わってるのかちょっとわからないんですよ。
―― ユーザーのツッコミ力に完全に委ねちゃうのがなんか一昔前のネットっぽいなと。初期のニコニコ動画なんかもそういう感じでしたよね。
めくるチーム:第3弾は秋葉原の名スポットを実際に回ってめくるちゃんのステッカーを貼らせてもらう「ステッカージャック」の施策をやったんですが、これは“こすりの境地”みたいな企画でした。あちこちのお店でめくるちゃんがポーズをとっている写真をツイートしていったんですが、全部なんらかの元ネタがあるポーズになってます。
―― ネタのチョイスが幅広い……!
めくるチーム:僕らが楽しんでやってる部分も大きいんですが、それでも気付いてくれる人がいたので驚きました。
―― 施策の最後となる第4弾はまさかの「オフ会」でした。
めくるチーム:はい、そのときはまだフォロワーも1000人弱でめくるちゃんのことを世の中の人はほとんど知らないし正直誰も来ないかと思ってたんです。それでもいいか、と思ってやってみたんですが5名の定員に50名の応募があって。距離や日程などの問題があって実際に当日お越しいただけたのは2名だったんですが、「本当に来てくれるんだ」といううれしさがありましたね。
―― 内容はどんなものだったんでしょう?
めくるチーム:めくるちゃんの「生VRマッサージ」が受けられるというものです。VRゴーグルをつけてめくるちゃんにマッサージしてもらう体験ができるんですが、実際にマッサージしてくれるのは元キックボクサーのいかつい整体師さんという。なのでオフ会場が豪徳寺の診療所なんです。
―― もうなにか変なことしないと気が済まない感じがしますね(笑)。
めくるチーム:予想通りアットホームでシュールなオフ会になって、来てくれた方にも満足してもらえたみたいです。1人は秋葉原に貼っていたステッカーを見てめくるちゃんを知ったという方だったんですが、本当にめくるちゃんを気に入ってくれていて。ステッカーもふざけて全然人目につかない場所に貼ってたんですが、それでも見てくれる人がいるんだということに驚いたしうれしかったですね。
―― 4つの施策を終えてどうでしたか?
めくるチーム:おかげでフォロワーさんも少しずつ増えてきてリプライをくれたりイラストを描いてくれる人も多くなりました。とりあえずいい手応えがあったかなと。
めくるちゃんにはただみんなに愛される存在になってほしい
―― サイトの公式キャラクターにしてはかなり手間暇をかけてる上に斜め上な施策ばかりなんですが、なぜこういうことができたんでしょう?
めくるチーム:DMMスクラッチではいろいろなキャラクターのグッズを扱わせてもらっています。でも、そもそもDMMって0から1でキャラクターを生み出してそれをきちんと育てていくということを本格的にやったことはなくて、めくるちゃんは初めてのケースなんです。キャラクタービジネスをやっているDMMスクラッチが自分たちのキャラクターに愛を注げなかったらおかしいので、そこは力を入れている理由のひとつですね。
―― いわゆるVTuberさんだと人気が出て動画の広告収入があったりとかもありますが、そういうことを意識しているわけでもない?
めくるチーム:はい、あくまでスクラッチくじが本業なのでめくるちゃんには自由に遊んでいてほしいなと。だから動画に広告をつけるとかも考えてないです。めくるちゃんにはただみんなに愛される存在になってほしい、というのが僕らの思いの全てです。
―― 愛が深い……。
めくるチーム:めくるちゃん、かわいいですから。
―― まだデビューしたばかりのめくるちゃんですが、今後の活動予定などはありますか?
めくるチーム:「めくるちゃんがオンラインくじの闇をあばく」という企画を考えています。他社さんのオンラインくじをめくるちゃんが引いていく内容で、実際に他社の責任者の人と話してもう許諾も取ってるんですよ。
そのときに他社の方からも「めくるちゃんがすごくかわいい、うちで公式グッズを出したい」って言ってもらえて。もしかしたらめくるちゃんグッズがDMMスクラッチ以外のオンラインくじサイトで登場したりするかもしれません。
―― え、それはDMMスクラッチとしていいんですか?
めくるチーム:まあ、かわいいって言われちゃうとうれしくて。
―― 完全に親バカだ……!
めくるチーム:めくるちゃんのことはいろいろ考えていて、実はもう夏に向けて水着のデータも作ってあるんです。めくるちゃんは現実と連動して生きる存在なので、来年は高校2年生になりますし、時間の経過に合わせてちょっとずつ変化していくと思います。
成長して化粧の仕方が変わるめくるちゃんとかも見せられたらいいなと。最終的にはめくるちゃんがアラフォーになっているかもしれません(笑)。
―― すごい壮大な計画が。それだけ考えてもらえるめくるちゃんは幸せですね。
めくるチーム:もちろん、めくるちゃんが生き生きと活躍していくためにはDMMスクラッチがちゃんと続いていく必要があるので、扱わせていただく他のコンテンツにもしっかりと愛を持って取り組んでいきます。これからもDMMスクラッチとめくるちゃんをよろしくお願いします。あと、「めくるちゃんにこすられたいキャラ」も募集中ですので興味のある企業さんなどはぜひお声がけください!
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アイティメディア営業企画/制作:ねとらぼ編集部/掲載内容有効期限:2018年12月31日